母と娘と、女3人北海道 2日目
朝5時半に目を覚ますと、母はもう起きていて、温泉に行く準備を整えている。
窓を開けると、
雨は降ってはいないものの、霧で白く視界が悪い。
旭岳ロープウェイで上に上がるまでに、
この霧が晴れてくれればいいなぁー。
そう願掛けしながら、朝風呂に浸かる。
気持ちいい。
朝食を済ませ、お部屋に用意されているコーヒーを入れる。
その間も、外の様子は相変わらずガスガスだ。
まったりする時間を惜しんで、
旅館を後にし、車で2分くらいの
旭岳ロープウェイ口へと車を走らせる。
しかし、この時間になっても(9時)前方が見えないくらいの濃霧は晴れない。
ロープウェイ口の案内板は
「視界不良」と書いてある。
母は花が好きだ。しかし高山植物は見た事がない。
ロープウェイで上がれば、そこはアルプスの3000mと同じ高山植物が咲き乱れる場所とあって、母は旭岳も楽しみにしていた。
上まで上がって、様子を見ようと
ロープウェイに乗り込む。10分程で到着した山頂駅は、気温7.4℃、さっむい。
旭岳ロープウェイ山頂駅周辺には、一周1時間ほどの散策コースがあり、そこを散策する予定だったが、
霧が晴れる気配はなく、夫婦池があるところまで歩く事にして、霧の中を外に出た。
晴れていれば、こんな絶景が望めるはずの旭岳ロープウェイ山頂駅。
それがガスガス、数m先も見えない。
しかし、
足元には、たくさんの種類の高山植物が咲いている。
足元に岩がゴロゴロ、整備された散策コースと言っても、80歳の母には大変なコースなのだが、
「わー、これは何?きれいね。」
「あら、かわいい。」
と言いながら、ゆっくり歩く。
咲き始めた花がかわいい。
花を楽しみながら、夫婦池に到着し、
ここで引き返す事にした。
とにかく、すっごく寒い。手袋があってよかったと思う。
晴れてれば、どんなに素敵な景色が広がってたんだろう、残念だ。
リスやナキウサギにも、会えたかもしれないのに、
それでも母は、
「歩けて良かったね。」
と言う。そうか、良かったのか。絶景を見て欲しかったけど、
母の北海道旅行の楽しみは、富良野のお花畑だ。
今日の天気は、晴れの予報。
下へ降りたら天気はいいだろう。
旭岳山頂まで登山するのであろう人達を横目に、富良野に向かう。
どんどん標高が下がると
霧は晴れて、青空が見え始める。
まっすぐに整備された道の両脇は、これまたきれいに手入れされた畑がつづく。
収穫を待つ黄金色の小麦、蕎麦の花、じゃがいも、10㎝ほど育ったとうもろこし
すると、見えてきた。お花畑の丘。
「これが見たかったのよー」
と歓声をあげる母。ラベンダーがいい香りを放っている。
マルハナバチが、花から花へ忙しそうに飛び交う。
すごい、北海道はやっぱり広い、開放感のある空間、広い空、気持ちいいね。そして、暑くなって来た。
こちらは「四季彩の丘」
ファーム冨田
ラベンダーが一面に広がる。正面には十勝岳や富良野岳がきれいだ。
ファーム冨田の広い敷地内では、
たくさんお土産屋さんもあり、ラベンダーの香りが心地よく気持ちいい。
母は少し疲れたのか、ラベンダーの前の木陰でベンチに座っている。
「いい時期に来れて良かったね、」
と言う、ほんとに。
そしてこの青空、朝の旭岳が嘘のよう。
青空に揺れるラベンダー、素敵だ。
香りのお土産を買って、
ソフトクリームを食べて、今夜の宿登別温泉に向かう。
つづく