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本日の一曲 vol.570 ブラインド・ウィリー・ジョンソン:主よ、安らかな死を与え給え Blind Willie Johnson: Jesus, Make Up My Dying Bed, 1927)

ギターのボトルネック奏法は、ウイスキーなどの酒瓶の首の部分(ボトルのネックの部分)を切り取り、これをギターの指板上で弦に当てて弦の一方の支点にして音程を変えて演奏するという方法です。支点を滑らせることができるので、音程が滑らかに変化するという特徴があります。ただ、ボトルネックで押さえる方の支点は、軽く押さえただけで完全に固定されているわけではないので、ボトルネックの材質によって、微妙に音質が変化することもあります。ボトルネック奏法の日本でのイメージはハワイの音楽という感じです。

マーティ・ロビンス(Marty Robbins, 1925年9月26日生~1982年12月8日没)さんの「アロハ・オエ(Aloha ʻOe, Farewell to Thee)」です。この曲はもともとは1878年頃に書かれたハワイの民謡で、題名は「さらば」という意味です。

本日ご紹介するブラインド・ウィリー・ジョンソン(Blind Willie Johnson, 1897年1月25日生~1945年9月18日没)さんは、盲目のゴスペル歌手で、スライド・ギターの名手と言われたギタリストでもありました。そのだみ声で歌うブルースとボトルネック奏法によるアコースティック・ギターの演奏は、後世のロックに影響を与えました。幸いなことに数十曲の録音が残されており、現在でもその歌声と演奏を聴くことができます。

まずご紹介するのは、1927年の録音と思われる「主よ、安らかな死を与え給え(Jesus, Make Up My Dying Bed)」です。

この曲は、ボブ・ディラン(Bob Dylan, 1941年5月24日生)さんが1962年のセルフタイトルのデビューアルバムで歌詞を変えて「In My Time Of Dyin'」という題名でカバーしました。邦題は「死にかけて」です。クレジットはトラディショナルとなっています。アコースティック・ギターでのボトルネック奏法が使われています。

さらに1975年にはレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)がブラインド・ウィリー・ジョンソンバージョンをカバーしました。こちらでは、ジミー・ペイジ(Jimmy Page, 1944年1月9日生)さんがエレクトリック・ギターでボトル・ネックを使っています。

(by R)

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