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本日の一曲 vol.483 ショーソン 詩曲 (Ernest Chausson: Poème Op.25, 1896)

エルネスト・ショーソンさんは、1855年1月20日にフランスのパリで生まれた後期ロマン派の作曲家です。近い年代の作曲家には、1851年生まれのフランスの作曲家ヴァンサン・ダンディ(Vincent d'Indy)さん、1857年生まれのイギリスの作曲家エドワード・エルガー(Edward Elgar)さん、1860年生まれのオーストリアの作曲家グスタフ・マーラー(Gustav Mahler)さんなどがいます。

特にダンディさんとは、同じセザール・フランク(César Franck, 1822年12月10日生~1890年11月8日没)さん門下ということで親交がありました。

そして、同世代の重要な音楽家として、ショーソンさん本人とも親交のあったベルギーのヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイ(Eugène Ysaÿe,  1858年7月16日生)さんがいました。

ショーソンさんの作風は、師匠のフランクさんの影響下にあることはもちろんですが、そのフランクさんの1つ上の世代には、ドイツに巨人リヒャルト・ワグナー(Richard Wagner, 1813年5月22日生~1883年2月13日没)さんがいて、ショーソンさんもワグナーさんの音楽には多大な影響を受けました。

本日ご紹介する「詩曲」は、ヴァイオリンとオーケストラのための音楽ですが、直接には、イザイさんからヴァイオリン協奏曲の作曲を依頼され、その結果として出来上がった曲です。曲趣としては、フランクさんとワグナーさんの影響を受けた濃厚な後期ロマン派の作品です。

ヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)さんのヴァイオリンとミッコ・フランク(Mikko Franck)さん指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre Philharmonique de Radio France)の演奏です。

ワグナーさんは、音楽史上、五本の指に入る(あるいは最高最大と言ってもよいかもしれません)大作曲家ですが、声楽家以外のソリストのための音楽がほとんどありません。このショーソンさんの「詩曲」は、ワグナーさんの音楽を感じるためには、最適な曲かもしれません。

また、イザイさんのために書かれた曲ということもあり、ヴァイオリニストにとっては、イザイさんの生きた時代を感じるためにはよい曲かと思います。

ショーソンさんは、1899年6月10日、突然の自転車事故により、44歳でその人生を終えてしまいました。

先日もご紹介した弊社主催の「Young Artist支援プロジェクト 吉村佳莉凪 &平飛鳥 デュオリサイタル」ではこの曲を演奏する予定です。

ただ、ヴァイオリンとピアノのための編曲版での演奏になりますので、管弦楽版とは雰囲気が少し違ってきています。

(by R)

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