本日の一曲 vol.378 ドヴォルザーク 交響曲第8番 イギリス (Antonín Dvořák: Symphony No.8, 1889)
アントニン・ドヴォルザークさんは、1841年9月8日、チェコ・北ボヘミア・ネラホゼヴェスに生まれ、1904年5月1日にプラハで62歳で生涯を閉じた作曲家です。系譜としては、後期ロマン派、チェコ国民楽派に属します。
ドヴォルザークさんで最も有名な曲は、ドヴォルザークさんのニューヨーク時代に作曲した「新世界より」の第2楽章の「家路」や「ユーモレスク」第7曲かと思います。
本日ご紹介するのは、渡米の前に作曲された1889年の交響曲第8番「イギリス」です。
愛称の「イギリス」ですが、その由来は、当時ドヴォルザークさんが契約していた楽譜の出版社はドイツの「ジムロック社」であり、その契約内容はドヴォルザークさんの作品の全てを同社から出版するというものだったのですが、ジムロック社は小品ばかり要求し、この交響曲第8番を作曲したときも小品分の報酬しか支払おうとしなかったため、ドヴォルザークさんがブチ切れて一方的に契約を破棄し、イギリスの「ノヴェロ社」からこの交響曲第8番を出版したため、この「イギリス」という愛称がついた、ということです。実際にドヴォルザークさんがこの曲を作曲していた場所はチェコ・ボヘミアであり、曲の内容は、イギリスとは関係なく、ボヘミアチックなものになっています。
この交響曲のうち、最も有名なのは第3楽章かと思います。この交響曲の名盤とされるジョージ・セル(George Szell)さん指揮クリーヴランド管弦楽団(The Cleveland Orchestra)の演奏です。音楽之友社「新時代の名曲名盤」のこの曲の項目では第1位になっています。
プレイリストです。第3楽章のメロディーの歌わせ方など、指揮者によってそれぞれですので、ぜひくらべてみてください。
前述のジョージ・セルさん指揮のもの(1970)
ニコラス・アーノンクール(Nikolaus Harnoncourt)さん指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(Royal Concertgebouw Orchestra)の演奏(1999)
ラファエル・クーベリック(Rafael Kubelik)さん指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)の演奏(1966)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)さん指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)の1985年の演奏
グスターヴォ・ドゥダメル(Gustavo Dudamel)さん指揮ロサンジェルス・フィルハーモニック(Los Angeles Philharmonic)の演奏(2022)
追伸(2024/08/21)
「あとむくん」さんのリクエストで、次の2つの演奏をプレイリストに追加しました!ぜひご利用ください。
イシュトヴァン・ケルテス(István Kertész)さん指揮ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra)の演奏(1963)
ヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt)さん指揮ドレスデン・シュターツカペレ(Staatskapelle Dresdfen)の演奏(1976)
追伸(2024/08/22)
新芽取亜さんのリクエストで、次の演奏をプレイリストに追加しました!ぜひご利用ください。
ジョージ・セルさん指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(Czech Philharmonic Orchestra)の1969年ルツェルン音楽祭でのライヴ演奏
(by R)