本日の一曲 vol.80 リゲティ ロンターノ (György Ligeti: Lontano, 1967)
本日ご紹介するのは、現代音楽の作曲家であるリゲティさんの管弦楽曲「ロンターノ」です。正直なところ、このような音楽を聴くのは苦痛であるという方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、心を無にして聴いてみるのもよろしいかと思います。
映画監督のスタンリー・キューブリックさんはいくつかの映画でリゲティさんの音楽を使用していますが、この曲は「シャイニング」で使われています。シャイニングはホラーなので、この曲を聴くと不安な気持ちになってもおかしくはありません。
ただ、この曲の題名の「ロンターノ」とは、イタリア語で「遠くの、はるかな」という意味であり、ご本人は、この曲について、「ずっと昔に忘れた子供時代の夢の世界を開く窓を、不思議なやわらかい水晶の層から覗いたもの」と説明しています。この曲を聴いて、ロマンチックなものを感じ取っても、これもまたおかしくはないと思います。現にリゲティさんは、稲盛財団主宰の2001年の京都賞を受賞しており、その受賞理由の中で、ロンターノについては、「独特な叙情性をたたえた作品」と評価されています。
演奏については、アバドさん指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による素晴らしい演奏を聴くことができます。
リゲティさんの音楽については、後ほどオペラ「ル・グラン・マカーブル」もご紹介したいと思っています。
(by R)
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