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味噌汁とごはん、以上。おかずなし。を体験した日の思い出


ごはんと味噌汁、

この組み合わせを見るたびに思い出すのは、
小学校の家庭科での調理実習。


その日は、米飯を炊いて味噌汁を作るという内容だったのですが、
私はこの組み合わせに些かの不満がありました。

(ごはんのおかずないやん。)

当時の私は(当時というか割とずっと)、ごはんは肉か魚あるいは卵などの動物性たんぱく質を調理した味のはっきりしたおかずで食べるものという概念があって(もちろんこんな小難しくは考えてなかった。もっとざっくり感覚。)、

味噌汁はおかずにはなり得なくて、
何でごはん食べたらええねんと思っていました。(漬物もないし)


そもそもごはんも、おかずを食べるためのベース素材ぐらいにしか思ってなくて、「お米の味」なんてものはほぼ認識していませんでした。(米の甘さ、何? 銘柄なんでもええわ。 かために炊いてさえあればうまい。)



さて、調理が終わり、それを食べる時間。

仕方なしに、まずはごはんをひとくち。


まあ、おいしいよ。炊きたてのごはんのおいしさぐらい知ってる。別におかずなしで食べたことぐらいあるし。家で炊きたてをつまみ食いさせてもらったりとか。
「食事」というイベントでおかずないのが初めてなだけで。

みんなは文句も言わず当たり前のように味噌汁とごはんを食べ始めている。

そ、そうか・・・。そうなん?
みんなおかずなくても大丈夫なんや。


何となく自分の常識というか価値観をふるふるっと揺すぶられる気がしながら、
しゃーない、とハラをくくって(覚悟そんなに必要ない)、
味噌汁をすすってごはんを口に入れた。


・・・なんや、いける。
(意に反しておいしかったのだ。)


味噌汁のダシと塩気でごはんの甘みが引き立ち、「米の味」を感じる。

(わー、ごはんめっちゃおいしいやん。)
(みそ汁と合うー。)


自分たちで作ったという状況もあっただろうし、お昼前でちょうどおなかが空いていたのもあるけど、

「味噌汁でごはん食べれるんやー」
という発見がうれしくて、しかしこの発見はほかのみんなには目新しいことではなさそうだったので、ひとり内心ニマニマしながら食べました。


家に帰って母に「味噌汁でごはん食べた!」と感動の報告をしましたが、

「そうなん」とあっさりした反応でした。(何を言うてんのん的な)


母は当然そういう食事をしたことがあっただろうし、別にめずらしく思うことでもなくて、
ただいつもたまたまおかずを作ってくれていただけ、


って、
いや、私のために、
いつも色々とおかずを作ってくれていた「だけ」だったのだ。ですよ。

晩ごはんに「味噌汁だけ」の日なんてなくて、私の10年ほどの人生ではそれが常だから、当たり前だと思っていて、
ホントは当たり前であるようなことを「ありえないこと」と信じてしまっていただけだったのですね。


でもこれに当時は気づくことなく、「なんやー、びっくりしてくれへん」とだけ思っていました。



それからも、別に、おかずがあればそれでごはんを食べるし、
味噌汁を特別フィーチャーするようなこともなかったのですが、

ふとしたときに 「味噌汁だけでごはん食べたなー」と思い出します。


んー、たまにやってみようとも思いません。

やっぱりおかず欲しいです。
(漬物だけでもさみしいです。)
(ふりかけならオッケーです。)


相変わらず味噌汁は 私にとってはサブのアイテムで、
あってもなくてもいいものなのです。


ただこういう良い思い出があるというだけです。


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(追伸:味噌汁かけごはんとかは未だに無理です。)

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