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【翻訳】サムディ男爵:ハイチの死霊長

こんにちは。こんばんは。

本格的に記事を書いてみようと思います。
自己紹介記事でもお伝えした通り、私の好きなものはミステリーやら、歴史やら、宗教やら、カルトやら、オカルトやら、犯罪心理やら、、、etc.

知らなくてもいいけど、知ってるとちょっとだけカッコいい世界のそんな面白知識をメインに書いていきますね。

今回は、海外の面白かった記事を翻訳。 


今週金曜ロードショーで、ディズニー映画"プリンセスと魔法のキス"🐸が放送されますが、そこに出ているキャラクター、Dr.ファシリエをご存知でしょうか?

そのモデルになったと言われる"サムディ男爵"について紹介してみましょうか。

サムディ男爵とは、アフリカの土着的宗教であるハイチのブードゥー教において重要な精霊です。

男爵は"ロア"と呼ばれ、ハイチの文化では、彼が人間の魂を生者の世界から死後の世界へと連れていく役割を持つと考えられています。

ハイチのブードゥー教

ハイチのブードゥー教は、ローマカトリック信仰とアフリカ文化が混ざり合ったもので、フランスの植民地時代にハイチの先住民族の影響を受け発展しました。

"イワ"と呼ばれる精霊は、カトリック文化における聖人や天使とよく似ています。彼らは神ではなく、"ボンダイ"と呼ばれる創造主のしもべであり、イワの精霊の多くは、西アフリカの伝統的な宗教で形成された神々に由来します。

フランス・カトリックの信仰に従い、ブードゥー教を信じる人々は主に一神教、つまり神は唯一であるという信念を持っています。イワの神々は地上に存在する人間と対話できる、強力な精霊であると信じられているのです。

しかし彼らの主な目的は、人間を唯一神であるボンダイのもとに戻すこと。人間は、イワを愛し、敬い、恐れるべきと考えられていますが、その見返りに、精霊たちは人間を愛し、保護し、導いてくださるのです。

精霊たちは、"ラダ"、"ペトロ"、"ゲーデ"の三つのカテゴリーに分類され、その内、"ゲーデイワ"は特に死者と結びついており、サムディ男爵はこのゲーデ家の当主、つまり、冥界の死霊たちの長として知られています。

ゲーデ家の他の精霊たちもやんちゃで暴れん坊ですが、彼らのリーダーであるサムディ男爵ほどではありません。

彼は豊作と正義の精霊であるママン・ブリジットの夫でもあります。この関係があるにも関わらず、男爵は人間界の女性を追いかけ回って楽しむそう。

サムディ男爵の役割

男爵については多くの言い伝えがありますが、彼の個性の多くは、彼の冥界の精霊としての役割を表しています。

彼は死と冥界に関しては全知の精霊であるため、非常に頭が良いと考えられており、もし人間が生と死に関する知識と導きを欲するのであれば、サムディ男爵と個人的に関係を築く必要があるのです。

男爵は冥界を離れて人間界に立つ際、燕尾服やシルクハットなどの、ダークで黒い衣装を身に纏います。また、人間界の光によって目を傷つけないよう、黒い色のサングラスをかけなければなりません。

しかし、人間や彼らの行動を観察する際、時に片方のレンズを外すこともあるそう。彼をテーマにしたアート作品の多くでは、ニヤリと不気味に微笑む骸骨が顔に描かれます。

その他に、男爵はとてつもない大喰らいだとも言われています。好物は黒い鶏と黒いヤギで、他にも自作のお酒を飲んでいる姿が描かれることもあります。そのお酒は地球上で最も辛い唐辛子を使って作られているので、飲めるのは彼だけだそうです。

ギリシャ神話では、タナトスとハデスが魂を冥界に導く役割と統治する役割を分担しましたが、この神話上の神や"死の天使"とは異なり、男爵はこれら両方の役割を担っています。

生死を超越した力

サムディ男爵はハイチの宗教上、神ではありませんが、誰が生き、誰が死ぬかを選択するという強力な役割を担っています。彼は何人たりとも生と死の境界を勝手に超えないよう常に気をつけており、死者が地上に戻り生者を苦しめることは決して許されません。

冥界の誰かと繋がりを持とうとする人間は、必ず男爵を通さなければなりません。彼の決定によってのみ、生者は死者とコミュニケーションをとれるのです。

特別な状況下で、生者は彼からブードゥー教の儀式を要求され、生と死の境界を越えるよう言われます。このような場合、生者は男爵から贈り物や供物(主にコーヒー、タバコ、葉巻、アルコールなど) を持参するよう要求されます。

もちろん男爵の奇妙な外見や、彼の恐ろしいキャラクターは知られています。実は子どもたちにはとても優しい精霊でもあるんだそう。彼はどんなことがあっても子どもたちを守り、彼らが成長し、素晴らしい人生を送れるよう手助けをしてくれるそうです。

また、どんな病気や怪我も治すことの出来る力を持っており、その人間が正直で、救うに値する者であれば、いつでも助けてくれるそうです。

彼に親切で思慮深い性格があると知られている一方で、イタズラ好きとしても有名で、ブラックジョークが好きで、非常に遊び好きで粗暴でもあります。彼は人間たちにいつでも楽しむこと、人生をあまり真剣に考えすぎないことを伝えています。

このことは、元々のゲーデの不謹慎な行動や、罵り、性的な踊りを好む本質にも表れていますよね。男爵は、最終的にはいつも生者に、死後の世界に行くには、必ず彼に服従しなければならないということを思い出させるのです。

参考資料

ハイチの多くの墓地には、ある習慣があります。彼らは、その場所の1番古い墓がサムディ男爵の墓として指定されるべきだと考えています。墓地には、"男爵の十字架"と呼ばれる十字架が設置されており、その上には黒いシルクハットも被せられています。

サムディ男爵は、"ワールド・オブ・ウォークラフト"、"シャドウ・ファイト2"、4つのジェームズ・ボンドゲーム等の数多くのビデオゲームに登場している他、マーベル・コミックや"007:死ぬのは奴らだ"、"シュガー・ヒル"などの映画作品にもフィーチャーされています。サムディ男爵の特徴は、ディズニー映画"プリンセスと魔法のキス"の悪役Dr.ファシリエにも見られます。

生者には人生を真剣に考えないように伝えている一方で、男爵は自分の仕事をとても真剣に考える精霊として信じられています。彼は生と死の境界に立つ究極の守護者であり、魂が安全にあの世に到達出来るようにする自分の仕事に誇りを持っているのです。



駄訳を読んでいただき、ありがとうございました!

了。

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