つらつらcafe 第16回 サンドイッチ大好き+ささやかな過去
初めは北海道の札幌市にある手づくりサンドイッチの名店・サンドリアさんのサンドイッチを近くに泊まりがけをして本気で制覇するつもりだった。
なぜにこんなに手づくりサンドイッチのサンドリアさんに最近こだわるのかが不思議な気がして、数日。
主人の年度末残業の日々が始まり、妻としてはひたすらご飯を合わせながら、待ち続ける苦闘の日々が始まった。
しかし、主人も心身ぎりぎりなため、ご飯を食べたら自室へ消えてしまいます。
先日、あまりに主人と話せないことが辛くて主人が帰って泣いてしまいました。
コミュニケーション不足で、寂しくてたまらなかったことを主人に伝えていくと、
「仕事やめるわけにはいかないし、寂しさはなんとかくま自身で抑えてもらわないと。
少しだけ僕に恋愛依存みたいになってない?
根本的なところから調べて、対処してみるといいよ」
恋愛依存というキーワードが出てきて、ふと泣き止み、冷静になりました。
そうか、依存症なら、治せばいいんだ。
まず恋愛依存症関連の本をキンドルアンリミテッドでダウンロードして読んでみようと決めました。
次の日、パソコンで愛情飢餓とか恋愛依存症とかでアマゾンを検索して、数冊の無料の本をダウンロードしつつ読みながら、自分でも密かに思っていた自己肯定感の低さもあるのではないかと、わたなべぽんさんのエッセイコミックもダウンロード!
コミックもさらに読み始めて、泣きじゃくりながら、
手づくりサンドイッチが食べたい!!
その理由がやっとわかりました。
私の実家は私が幼い頃から介護問題をかかえていて、みんなバタバタしていて、なんとか一日一日をこなして、私も介護を手伝いながらの学校生活で、毎日疲れ切っていました。
小学生の運動会のお弁当はいつも前日の残りものをつめただけで、ときにからかわれたりもしていました。
そうして、最後の六年生の運動会に、なんと、母がサンドイッチを作ってくれたのです。
決して豪華ではありませんが、確かに手づくりの母の味に私はすごく嬉しくなるとともにサンドイッチが大好きになりました。
また中学時代からは残りものに戻りましたが、私は母のサンドイッチに愛情を強く感じたあの幸福な一瞬をまた感じたくて、手づくりサンドイッチ専門店へ行こうとしていたのだと気づけました。
また、今でいうヤングケアラーだったため、愛情を十分に受けられずにいたことが、主人への恋愛依存症的な、
愛情を与えて認めてもらいたいイコールいないと寂しい、
になっていたのかもしれないと、感じました。
そのことをまとめて主人にラインすると、
「今度、一緒にサンドイッチ作ろう。」
とすぐにかえってきました。
「じゃあ、新年度のお花見のお弁当はサンドイッチにしよう!」
そんな折、偶然母と電話でその話をしたら、
「適当サンドイッチでいいなら、今度会うときに作ってもいいよ。
ただし、忙しいから、今回だけね。」
わあわあ、主人と初めてサンドイッチを作れるだけでなく、ずっとずっと、三十年以上も食べたかった母のサンドイッチまで食べれるんだ!
私はダブルで春がすでにきたようでびっくりするやら、また泣けるやら。
大変遅ればせながらですが、
主人にも感謝、
母にも感謝、
そして、あの頃の自分へ、
よく頑張ったね、これからはきっといい事があるよ。