愛が欲しくて必死な女にはクズ男は救えない
クズ男と付き合っている女性の中に、こんなふうに考えている人はいないだろうか。
「この人の孤独を理解できるのは私だけ。」
「みんなはクズだというけど、私が救ってあげたいの。」
自分が今一緒にいる男がクズだということはわかっている。
だけど好きだから離れたくないし、できれば救ってあげたいと思っている。
恋愛相談に乗ってきた友達の中にもこのようなことを言っている子は沢山いた。
し、私も過去の恋愛でそんなふうに思ったことがある。
けど、自分が望む通りにクズ男を救えたことは自分も周りの例も含めて見たことがない。
なぜか?
そもそもクズ男は救いなんて求めていないからである。
今回はそんなクズ男を救おうとした時の話をしたいと思う。
*
クズ男とは大学時代ある作品を作る上で知り合った。
あまり細かく書くと身バレするので詳細は省くが学内で数人で集まってひとつの作品を作り上げるタイプの課題があり、そこに外部から参加してくれたのがクズ男だった。
ひと目見た時から私はクズ男に夢中になった。
彼は当時私がどハマりしていた俳優にそっくりだったからである。
切れ長の目も、シャープなフェイスラインも、細くて長い指も何もかもが素敵だった。
典型的な見た目で入るやつである。笑
クズ男は作品作りには真剣で、一緒に活動することが多かった私は何度も彼に助けられた。
チームに途中から入った私を仲間に入れてくれたのも彼だった。
見た目もタイプでそんな風に助けられて、恋に落ちないはずがない。
彼とは自然な流れでLINEを交換して(どっちが聞いたかすら覚えてない)、活動以外にも時々連絡を取るようになった。
そんな感じでふわーっと近づいたのだが、同時に何となく踏み込めない壁のようなものも感じていた。
初めてクズ男と大学の外で会ったのはチームの男の子含めた三人で、みんなで特に目的もなく表参道の街をウロウロした。
ウロウロしてなぜかみんなで辿り着いた渋谷の小さい回転寿司屋に入って食べて解散した。
ら、クズ男からLINEが来ていた。
〈俺まだ渋谷にいるけど、来ない?〉
さすがクズ男、手慣れている。
しかし恋は盲目、浮かれた私はホイホイ乗ろうとしていた電車を降りてクズ男の元へ向かった。
時間もそんなに遅くなかったし、問題ないと思ったのだ。
それからカラオケに行って、当たり前のように終電を逃し、クズ男の家に行った。
行ったからにはもう、そういうことである。
そんなわけで当然の如く私は彼の恋愛候補に入ったものだと思った。
しかし、クズ男はそれから何回か遊んでも、キスしてもなにしても何も言ってこなかった。
付き合うとかそういう話はもちろんだし、好きとかそんな話もない。でも会うとかわいいと言って優しくしてくる。
こいつ…何…考えている?!
そんな中私の誕生日が迫ってきた。
私は当然クズ男と過ごしたかったし、過ごす気満々だったので、LINEした。
〈誕生日遊びたいから予定空けて!〉
〈え、誕生日俺なんかと過ごすのでいいの?〉
そう、このクズ男、めちゃくちゃイケメンかつ普段はわりと軽薄な態度をとるくせにこういう時だけ謎に自分を卑下するのである。
こちらからしたら「なーにが俺なんかやねん。お前と過ごしたいから誘ってんねん」ということなんだけど、こんな風に毎回近づいたと思ったらスッと遠ざけられるのだった。
この時私は思ってしまった。
この人こんなにイケメンなのに自分に自信がないのかしら。私が愛してあげたいな。と。
とんだお花畑野郎である。
そして私は何回かクズ男を遊びに誘った。
が、クズ男はだんだん来なくなった。
しかし会えなくなったわけではなかった。
時々クズ男が呼んでくることがあって、そういう時は私は深夜だろうが会いに行ったからである。
oh、これ、どこかで見たことがあるね。
YES、典型的なツゴウノヨイオンナ。
クズ男の上手かったのは、断る時は「やっぱり俺なんかと一緒にいない方がいいと思う」といった感じで弱々しく断るのに、完全に関係を断つことはせず「今どうしてる?渋谷にいるんだけど会えない?」と忘れて次に行くまでいかないギリギリのタイミングで誘ってくるところである。
結局付かず離れずダラダラとこの男との関係は続いたが、就職活動で忙しくなったこともあり、急な誘いに応じられなくなったらパタリとクズ男からの連絡はなくなった。
俺の都合に合わない女はもう用無しということか。
奴と会わなくなってから思ったのは少し自信なさげにするのはあくまでも選択肢をこちらに委ねる為だったのではないかということだ。
ハッキリ断ればひどい男になるけれど、こんな風に自信がない…と引けば相手は勝手に気を遣って身を引いてくれる。
それを何度もしていけば相手の都合で誘われることはなくなるし、普段我慢させている分自分のタイミングで誘いやすくなるから。
まあ、実際答え合わせをしたわけではないし、奴の真意は分からないけども、私とは最初から真剣に交際する気など毛頭なかったのではないかと思っている。
もし仮にそうじゃなかったとしてもきっとうまく行くことはなかっただろう。
なぜかというと私は「彼を救いたい」なんて大層な事を思っていたけど、結局彼の心に踏み込む勇気もなかったし、何よりもその動機が彼に愛されたいからだったからだ。
彼のことを好きになったのだって単に見た目がタイプだからである。
そんな見返りありきの適当な感情で、人なんて救えるはずがない。
それに何よりもクズ男は「救い」なんて求めていなかったのだ。
少なくとも私に対しては。
これが私がクズ男は救えないと思う一番の理由。
もし仮に私が本気でクズ男に向き合ったとて、相手が求めてないんだから仕方ない。
クズがクズになる所以はきっとあると思う。生まれながらのクズなんていないと私は思っている。
だから恐らくそうなってしまった理由がどこかにあって、それを癒してあげることができればクズみは解消されていくものだとも考えられる。
けど、クズ男は全員に対してクズなわけではないのがポイントで、彼らにはクズムーブをしない相手だってちゃんといるのである。
もし奴らに誰かに救われたい気持ちがあるとするなら、それはそういう相手に求めるのであって、今クズムーブをしている女には全く求めていない。
クズムーブをさせてくれる女に求めていることはただ一つ。
自分の思うように動いて、自分の欲望を満たして欲しい。(体でも心でも)
それだけだ。
だからそんな男にいくら必死になったとて、何も変わらない。
変わらないどころかいい感じに使われて、ボロボロに傷ついておしまい。
バイバイってやつである。
なんて無慈悲な現実…!!!
しかしこれが現実である。
目を覚そう。(真顔)
しかし稀にこういうクズを救う稀有な人間が存在する。
それは愛に満ち満ちた人間である。(これは女性でも男性でもそう)
こういう人種はクズがクズムーブして近づこうとしても、「ウ、この人にそんなこと…できねぇよ…ッッ!」と改心させることができる。
すごいよね。
でも、クズ男を救えなかったお前がなんでそんなこと知ってるの?って思うでしょ。
それは、、、私自身がそういう愛に満ちた男性に救われたことがあるからなんですね。笑
そう、何を隠そう私が「クズ女」だったんですわ。(爆笑)
だからクズ男の気持ちもわかるんよ。
そんな話はまた今度、書ける時に書きます。
(お察しの人もいるかもしれないが現彼氏の話なので書けるとしても有料にすると思う。)
今回の学び
クズ男は利用している女に救いなんて求めてないからいくら尽くしても無駄。
完