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もうやめません?性的マイノリティと犯罪者混同するの。

詳しい事情は気分が悪くなりそうなのでしっかりと見ていませんが、ワコールクロスドレッサーへの新指針を表明したことに対して、売り場男が入ることを容認していると受取り、怖くてワコール利用しないなど、様々な言説が飛び交ったようです。


  • 騒動を紹介したYahoo!記事(FNNプライムオンライン)

どうやらこの記事(と新指針のPDF)発端のようですね。

  • 共同通信の記事

  • 新指針のPDF

2024年8月7日のリリースより。ワコール怖くていけない人は、この3ヶ月で怖い思いでもしたんでしょうかねぇ?

https://www.wacoal.jp/news/newsrelease/files/8cc1bfa31c5ae2265933ad3f52981b67_1.pdf

ワコールの新指針に書いてあること

トランスジェンダー(生まれた時に割り当てられた性別と異なる性を生きようとする人)やクロスドレッサー(性自認を問わず、社会の典型的な性表現とは異なる衣服を着用したりメイクをしたりする人のこと)などのお客さまの困りごと
※()内は同発表にある注釈をそのまま転記しました

https://www.wacoal.jp/news/newsrelease/files/8cc1bfa31c5ae2265933ad3f52981b67_1.pdf 

ご自身のサイズがわからない 一部の店舗では、フィッティングルームの外でアンダーバストの採寸をします。 試着がしたい インナーウェア売場は性別で分かれた売場が多く、ワコールでは女性インナーウェア売場にお けるフィッティングルームの利用や、フィッティングルーム内での接客は、外見や会話内容から判断し、女性 だと確認が取れたお客さまに限らせていただいています。売場に性別にかかわらず利用ができるフィッティン グルームがある場合や、他の売場のフィッティングルームが利用できる場合は、そちらにご案内します。

https://www.wacoal.jp/news/newsrelease/files/8cc1bfa31c5ae2265933ad3f52981b67_1.pdf

見ると、自社のサービスを必要とする困っている人に手を差し伸べつつ、従業員の安全確保するための指針に思えます。

また、ようは「従業員主観的に自社のサービスを必要にする人かジャッジするで」という趣旨で、「無選別にオールジェンダー受け入れまっせ」とは書いてませんね。

Yahoo! ニュース記事のような趣旨性的意図を持つ男性客)ではなく、乳腺が発達するなどして、適切なサイズ分からず困っている顧客対応の話をしているように読めます。

女性ホルモン投与し、乳腺が発達し、女性化していく友人目にしたことがある私としては、素晴らしいことだと思います。

「新宿二丁目で働く人」がトランス当事者とは限らない

ただ、Yahoo! ニュース新宿二丁目で働く人コメントのように、「行けない」人は多いでしょうね(記事では「行かない」と書いていますが)。

そもそも、新宿二丁目で働く人といっても、女性の格好をしていてもトランスジェンダーではない人など、色んな人がいるので、その方がどのようなアイデンティティ分かりません。(記事上の動画を見ると、インタビューに答えている人普段は、多目的トイレ利用必要性感じておられないようなので、普段女性格好をしていないように感じました。)

しかし、女性の下着ばかりが並ぶというのは常に性別を問われますトランス女性だろうがトランス男性だろうがノンバイナリーだろうが「怖くて入れない」「できれば行きたくない」と考えるのが自然だと思います。

特に自分の外見に自信を持てない移行期当事者が行くかな?とは強く感じます

対象外とされながら困っている人をすくい上げる新指針

だからこそ、この指針は良いなと思います。
間違った下着選びで、胸をいびつな形にさせないための下着メーカーとしてのミッションを感じます。
その意味で誠実ですし、商業的にも筋が通っています。

繰り返しますが、移行期の人はまず怖くて下着の実店舗に行くことはないでしょう(若い子なら母親同伴で行くかもしれません。そもそもこの指針自体親子連れトランスガール対応想定しているのかもしれませんね)

多くの大人の当事者は、実店舗ではない解決策を模索するでしょう。胸のサイズ測り方ネットで調べたり、下着身につけ方動画で見たりして、そのサイズ下着ネットで買うくらいではないでしょうか。

ただ、大手メーカー「安心して来ていいよ」という姿勢を示すことは、トランス女性だけでなく、出生時に女性に割り振られたノンバイナリーや、トランス男性にとっても、価値あるメッセージです。

出生時女性に割り当てられた人にもメリットがある

これは聞いた話なので、正確な情報ではありませんが、大きな胸に悩むトランス男性が、長年無理に胸を潰したために、いざ手術で乳房を切除しようとしたら、胸の形変形してしまったために大きな傷が残る術式しか選べなかったことがあるそうです。

もちろん、ワコールが胸を抑えられる商品を出しているわけではないので、直接的な意味はないと思います。でも、メッセージを出してくれることで、中長期的今の慣習では対象外にされて困っている人が適切に下着メーカーを頼れる下地が作られると思うんですよね。

下着は何よりも日々を快適に過ごすためのもの

下着性的なアイコンの印象が強いですが、身体を包み込み快適日々を過ごすためのものです。

多くの女性はたぶん「きれいな胸にしたい」とか、「他者に見られる」という前提なくても「ワイヤーが脇に当たらない適切なサイズを測りたい」と、お店を頼ることもあると思うんですよね。そんな「自分のためにお店を頼りたいけど、対象外とされて困っていユーザーをすくい上げる」のがこの新指針なのだと感じます。

と、一気に書きましたが、「マイノリティのために男が入り込む余地を与えていいのか?」と感じられた方もいるかもしれませんね。当たり前ですが、「与えていいはずない」です。

上記にも書きましたが、下着第一義は、快適に日常生活を過ごすためのツールです。その利用用途を求めていないのはお呼びではありません

また、第一義的な利用を望んでも、店員さんや他のお客さんにハラスメント行為をする人は排除されるべきです。それは男性女性か、セクシュアルマイノリティかは関係ない話ではないでしょうか。だからこそ、ワコールカスタマーハラスメントの定義を同時に行ったのだと思います。

温泉旅館で目の当たりにした「女性」の非礼

先日、温泉旅館に行った時、うんざりすることがありました。

私は身体的には女性なので、女風呂を利用しますが、なるべく人がいない時間帯人目につかないように入るように心がけています。ぱっと見の印象男性ですからね。(着てる間はに人に見られないようにします。なので、利用客が多い場合入浴を我慢することも多々あります。)

その時、浴場には合計5人お客さんがいました。そのうち3人脱衣所ですれ違うような感じでした。

もう2人は、露天風呂エリアスマホを持ち込んで記念写真を撮ってはしゃいでいました。

入口に「NO PHOTO」「NO CAMERA」と書かれていました。外国人観光客が常習的記念写真を撮っている宿だったのでしょう。

私は露天風呂入ることは諦めて、さっさと部屋に戻りました。気にせず露天風呂に入ってやろうとも思いましたが、私の顔と体がもし彼らの写真に映り込んでしまって「男みたいな女」と嘲笑われたらどうしようかという葛藤も生まれましたし、そうでなくても、万が一にも映り込むのはまっぴらごめんです。

写真撮影していたのは女性でした(もちろん、セクシュアリは外見では分かりませんけどね)。
セクシャリティを問わず、非礼な行為する人は一定数います。なのに、なぜ性別移行する人ばかりが警戒されるのでしょうか。

もちろん、警戒するなとは言いませんトランスジェンダーの中にも犯罪行為を平然とやる人いるでしょう。でも、それって、男性も女性も同じですよね?むしろほとんどの盗撮盗難などの行為って女性か男性がやってるんじゃないですか?

セクシュアリティと犯罪を結びつけないで

そもそもトランスジェンダーだから犯罪行為をしていいとも誰も言っていないですよね。しかしトランスジェンダーが誰もが享受できている権利を取り戻そうとすると「トランスを騙れば何をやってもいい」論点をすり替えられてしまうのです。それは一体なぜなんでしょうか?

どうか騙されないでください。犯罪をしていいセクシュアリティなんてありません

当事者たちからはトイレも更衣室も公衆浴場も「性自認を主張すれば女のスペースに入れる」なんて言説は聞いたことがありません
多くは「怖くて使えない」「個室や貸し切りないかな?」という言葉です。

どうか、女性を含めたマイノリティの安全や権利を脅かそうとする言説に呑まれないでください。

ちなみに新宿2丁目で働く人本当女性ものの下着困りごとを抱えているか?疑問に思ったのはこんな考えがあるからです。よかったらこちらもご覧ください。


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