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訳者 村井理子さん


相変わらず原稿の合間の、「X」ちょこちょこ覗きがやめられない。
村井理子さんの投稿は、入稿中の癒しで励まし。
ある日の村井さんの投稿で『射精責任』という本が出版されることと、
その翻訳を村井さんが手がけていることを知り、
VERY NaVY編集部に提案。
村井さんのインタビューが実現した(2023年10月号)。

インパクト大のタイトルがゆえ、
「とうとう、この角度から男を追い詰めるのか」と
当時、SNSで炎上。村井さんも攻撃対象となった。
「攻撃は歓迎しませんが、被弾には慣れている」という
村井さんの言葉が、なかなか前に出れない自分に響いた。

私には大学生と高校生の娘がふたり。
この本の詳細を伝え
村井さんもおっしゃっていたが
「自分の人生を大切にしてほしいというメッセージでもある」
という話をした。

「パートナーを選ぶセンサーとなり、自分を守るための行動につながる。
 そんな女性のリアクションをきっかけに、男性の意識も変化していく。
 その連鎖によって、望まない妊娠と中絶が僅かでも減ることを
 この本に携わった訳者として心より願います」ー村井さん


日頃の「X」ちょこちょこ覗きが功を奏したインタビュー。
残念ながらウェブ記事にはなっていないのだけど
「射精責任」は女性必読の一冊だと思う。
男女に対する意識が、私は大きく変わった。

私が、村井さんの投稿で一番大好きだったのが
愛犬ハリーの「呪い」シリーズ。
ハリーが枝を噛みちぎる狂気に満ちた一瞬の表情を
”呪い”と名付け、「よくもこの瞬間を」と
ニヤニヤする時間がとても好きだった。

先日、いつものように「X」を開くと
ハリーがなくなったという記事に一瞬、呼吸が止まった。
鳥肌が立って、涙した。
あんなに元気そうだったのに?
のちの村井さんの投稿で闘病中だったことを知り
「呪い」の写真を見て、また涙した。
体調がすぐれなくても
トイレは外にこだわったという、立派でかっこいい、ハリー。
最期は夜中に外に行きたいと、玄関で力尽きたことを
村井さんのエッセイで知り、大泣きした。

我が家のシュナウザーカップルの最期を思い出すと
いまだに愛おしくて、苦しい。
1匹は旅行中に突然、心臓の発作が起きて
旅先の動物病院で亡くなった。
滞在中のホテルで呼吸が荒くなり、動物病院を探して診察してもらい
「容態が落ち着いたので一晩お預かりしますから
 明日の朝、お迎えに来てかかりつけの獣医に連れて行ってください」
と、ホテルに戻り仮眠をとったのだが
夜中に電話が鳴り、嫌な予感がして
「メメちゃーん(愛犬の名前)」と大声で叫んだ、自分の声で目が覚めた。
私は号泣していた。
夢かと思ったのも束の間、1分も経たぬうちに電話がなり
メメちゃんが亡くなったことを知らされた。14歳。
自分で知らせたくて、夢を見させてくれたのだと思う。

メメちゃんはメス。オスのキチは、甘えん坊で威張りん坊で、
高齢になってもいたずらっ子だった。
これまで、あらゆるものを口に入れて動物病院にはかなりお世話になったが
大きな病気をすることはなかったのに
メメちゃんが亡くなった2日後から、歩けなくなってしまった。
そこから一気にいろんな病気を患い、
メメちゃんを追いかけるようにして、旅立った。
ペットショップでどちらかを選べずに、まったく同日に飼った2匹。
よほど強い絆で結ばれていたのだろう。

メメちゃんが亡くなった頃は、子育ても忙しく
「もっと早く異変に気づくことができたのでは」
と自分を責める日が続いた。
今も犬を飼う勇気がでない一因かと思う。
SNSに流れてくる犬猫の映像で、我慢している状態。

コンビニで飼い主を待っている犬を見ると
つい声をかけてしまうのだけど
いつもそっけなくされてしまう。
ワンコは、コンビニの中にいる飼い主が
戻ってきてくれることにしか興味がないのだ。
羨ましい。

ゴミ出しをする、たった数分の不在でも
玄関を開けると、100年ぶりの再会のように
喜び暴れるキチメメの姿を思い出す。
こちらが愛していた以上に
愛してくれていたんだと思う。

書きながら、また泣いてしまった。

ハリー、お疲れ様でした。
そして、楽しませてくれてありがとう。







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