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Letter6 大学三年生〜心のしこりが消えない14年前の私へ〜

初めての大学生活も、三年目を迎えた。

結構、色々なことがあった。

でも、

とても楽しかった。


普段の授業は想像以上に厳しく、

サボれる雰囲気ではなかった。

それでも、

バイトしたり、

友達と飲んだり、

映画に行ったり、

旅行に行ったり、

笑ったり、

泣いたり、

怒ったり・・・

感情はとにかく忙しかった。


そのおかげで、

ずっと私の周りをガチガチに固めていた氷は、

少しずつ溶けていった。


このまま来年国家試験を受けて、資格を取れば、

おそらく生活に困ることはない。


でも・・・

心に残っているしこりは、

どうしても消えてくれない。


編入。


母も大学に編入したので、

昔から知っていた。

4年生になったら編入試験を受ける。

もう一度、夢にチャレンジする。


それが本当に自分のやりたいことなのか?

心の声にはいつもこう答えていた。

そうに決まっている。

これがやりたいんだ。

と。


中学3年の冬だった。

台所で料理をしていた母が言った一言。

「あなたは手先も器用だし、この仕事、いいんじゃない?」

これが、私の運命を変えた。

その時の衝撃は、

恋のようだった。


なぜ気付かなかったんだろう?

これしかない。


我が家とは縁のない職業。

だが私は幼い頃から触れる機会が多かった。

だから、とても身近だった。


楽しそう。

かっこいい。


ずっとそう思っていたのに、

今までなぜ気付かなかったんだろう?


これしかない。




それから7年。

14歳の自分が抱いた恋心。

さすがに大人になった。

同じようには、もう思えない。

色々な情報、世間の意見。

それも頷いてしまう歳になっていた。


でも、

自分でもどうにもならなかった。

そこで見つけた原石は、

どうやっても、私の心から離れなかった。


これを磨きたい。

磨かないと。

磨かなければ、

先に進めない。


大学三年の秋だった。


私は編入試験の勉強を始めた。
















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ポテチ@サクラヒカル
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