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2023年7月の記事一覧
連なれる拙句に見えし我と月
下手くそめ
蝿叩く 理不尽な死を与えけり
ただそこにいただけ
我の名を刻める墓石(いし)も無く施餓鬼
赤い名が塗り直されて秋の風
風に鳴る塔婆を眺め墓地をゆく 我は先祖を持たぬ身なれど
天涯孤独というのは易し
デパートの屋上にある稲荷神 スクール終えた子らが駆け寄る
祈るのは、ワールドカップ出場か
熱き日の空の青さに音消えぬ
夏の昼下がり
迎え火や 消え残る香も闇に溶け
迎え火や
煙残りて帰宅せり
あいみてののちの心や蝉時雨
激しく鳴いている
聞こえない声の多さや精霊灯
時がただ過ぎる
意の通ぜざること壁の如しか暑き夜
根本的な部分で理解できることではない
「七夕や 隔てる川の深きこと」