ガーデナー便り(2月号)
植栽コラム
皆さん、こんにちは。
佐倉ばら会「ガーデナー便り(2月号)」をお届けします。
2月は「如月」「梅見月」「初花月」等の異称があり、旧暦2月の異称を用いていますが、新暦では3月頃に当たります。月初めには、立春を迎え、暦の上では春となりますが、未だ寒さがぶり返す季節でもあります。2月は木バラの剪定作業の適期です。1月に続き、未だ休眠中のバラへの大事な剪定作業(冬剪定)の時期でもあります。
剪定作業の必要性(古い枝を整理して環境を整える)
バラは、基本的には剪定しなくても花を咲かせます。但し、剪定しないまま咲かせると、花数は多くなりますが、花は小さく、花弁の数も少なくなります。剪定によって花数を制限し、栄養を集中させることにより、色や形、香りを備えた良い花が咲きます。また、劣化した枝を取り除くことで、枝の更新が進み、株全体が健康になります。不要な枝や込み合った枝を整理することで、株の中にも日が当たり、風通しも良くなり、光合成が進み、健康な株に育ちます。(リンゴや柿等の果物の剪定も同様です)また、剪定することにより、きれいな樹形を保つことになります。
系統別剪定の目安
1.原種系は全体を切らず、枯れた枝や、倒れた枝を切る程度で、強い剪定はしません。
2.シュラブ・ローズ系は半つる性でしなやかな枝が多いバラなので、おおよそ3分の1から4分の1を目安に切ります。
3.ハイブリッド・ティー系はおおよそ3分の1の高さを目安に切りつめます。
4.フロリバンダ系は花をたくさんつけるため、半分の高さを目安に切ります。
5.ポリアンサ系もおよそ半分の高さを目安とします。
6.ミニチュア系もおよそ半分の高さを目安とします。
7.オールドローズの各系統はそれぞれ扱いが違いますので注意が必要です。
外芽と内芽について
枝についている芽の位置によって、株の中心に向いているものを内芽、逆に株の外側に向かっているものを外芽といいます。ブッシュタイプのバラで枝が直立する品種は、出来るだけ外芽の上で切るようにします。枝が横張りになる品種は、バランスよく咲かせるため、内芽も残す場合があります。株の中にも日が当たり、風通しを良くするための作業なので、枝が伸びて花が咲いた時を想像しながら剪定することが大事になります。
寒肥の施肥(1月に引き続き2月も実施)
油粕と骨粉を一株につき300gづつ、有機堆肥を株もとにマルチします。カイガラムシの防除も忘れずに、ブラシでこすり落とすか、マシン油を散布します。
まだ、寒さが続きますが、春に美しく咲かせるために大事な手入れの時期となりますので、ぜひ、参考にしてみてください。