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詩 | 一緒に見て

ここに来て。

一緒にこの火を見ていてほしいの。

右と左に揺れるでしょう。

なんてことないろうそくの火なのに
見てるとなんだか落ち着くの。

ときどき手に顎を乗せて、
顔を傾けてもいいんだよ。

少しだけ窓を開けてみて、
虫の声を聴いたっていいんだよ。

私が窓を開けてあげる。

虫の声が少し聴こえるでしょう。

この匂いは新緑のもの。

この季節になると思い出すの。

今気持ちのいい風が入ってきた。

ろうそくの火が少し揺れたね。

無意識に、私は息を止めてしまうの。

息で火を乱したくないんだから。

でもやっぱり苦しいから吐くしかないよね。

火が揺れてしまった。

このことに気づいたあなたは
にやにやと私を見て笑っている。

火を乱しちゃだめでしょ。

息はしちゃいけないの。

あなたは最初は真面目にやるけど、
途中で笑いを堪えられなくて
一気に息を吐き出した。

私はなんてことをするのという目をするの。

でも今度は私がおかしくなって、
一気に息を吐き出してしまう。

その度に火は揺れるけど、
消えるまでには至らなかった。

私たちは次第に音楽をかけて、
棚にあったお菓子を全て広げた。

幸せな夜の時間がきたんだから
寝ているわけにはいかないでしょう。

風が心地よく入ってきて、
白いカーテンがそれに揺れるの。

ろうそくに火を灯してみて。

一緒にその火を見ていたいの。

右と左に揺れるでしょう。

体が左右に動いてきたら、どんどん
心地よくなっていくの。

そうやって音楽を聴きたくなる。

外の匂いも美味しくなるんだよ。


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