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詩|悪魔

地底から、悪魔が所有する
太鼓の音が鳴り響く

美しい秩序を愛する悪魔が
今日ばかりは使者を遣わせた

人間どもの愚かな叫びを
太鼓が厳かに締め付けていく

葉が全て落ちた灰色の中庭を
外套を引きずりながら彼は歩いた

この葉はどこからやってきたのだと
悪魔は裸の木々を見上げ

細く伸びた枝たちは
暗闇の中にたたずんだ

奥にある庭園に咲き乱れるのは
とげのない赤い薔薇たちだ

悪魔が近づくと色味を増し
甘い香りを放ち始める

悪魔はやさしく薔薇を愛撫し
美しい愛の言葉をささやいた

中庭にいるビーナスは
悪魔の言葉で目覚めると

静かで美しい妖艶なピアノで
荒涼とした中庭を包み込む

悪魔が親指を唇に添えるや
それはたちまち赤く色づき

赤い唇を喜ぶビーナスは
悪魔のそばで踊ってみせた

今宵は満月
青の月

この歌を捧げよう
あなたのために

中庭を歩く悪魔からは
甘い香りがたちまち放たれ

そこにある全てのものを 
一瞬のうちに魅了する

太鼓の音は次第に落ち着き
再び静寂が流れると

真っ赤に染まった唇は
悪魔のものになるだろう

今宵は満月
青の月

悪魔に贈ろう
この命




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