ショートショート | くすぐったい
空に向けて思いっきり手を伸ばしてみた。
そこには太陽があって
指の間から光が差してくる。
しばらくそこに寝そべって
両手を上に向けていた。
白いシャツを着たイーサンも
私と同じ動きをしている。
空に向けて両手を上げて、
太陽の光を手のひらで受けていた。
ときどき指の間から太陽の光が差して、
彼は眩しそうに目にしわを寄せた。
洗濯した後のシャツの匂いなのか、
それとも彼の匂いなのか。
私はその匂いに夢中になった。
太陽の光は相変わらず注いでいて、
甘酸っぱい匂いも広がっている。
左目を閉じてみた。
今度は右目。
彼もまったく同じことをしている。
私はいつものように大笑いして、
それに気づいた彼も大笑いした。
私たちは馬鹿みたいに笑うんだ。
太陽の光が楽しくて、
お腹の中がくすぐったい。