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詩 | あなたと星

星が見えなくて悲しんでいたら、
あなたが側にやってきた。

「どうしたの?」とあなたが聞いて、
「星が見えないの」とわたしが言った。

あなたはわははと大きく笑って、
自信たっぷりにこう言うのだ。

「ぼくがいるんだから大丈夫だよ。」と。

あなたは近くにある空気を思いっきり吸って、
お腹を大きく膨らませたかと思うと、
それから一気に吐き出した。

最初は空振りに終わってしまい、
あなたは「あれ?おかしいな?」とおどけてみせた。

「ほら、やっぱり見えない。」とわたしが言うと、
あなたはわたしを見て笑うのだ。

「ごめんごめん、今度はちゃんとやるからね。」と言って、
再びお腹を大きく膨らませた。

あなたの口から吐き出された空気は
空にかかっていた灰色の雲を次から次へと吹き飛ばし、
その間から輝く星を覗かせた。

「ほら、見えてきたでしょ?」とわたしに言って、
あなたは再びお腹を膨らませた。

「お腹、痛くない?」とわたしが聞くと、
「へっちゃらだよ!」とあなたは自信満々に答えるのだ。

見える星はもう一つだけじゃなかった。

次から次へ、星が見えてきた。

「ちょっと休憩するね」と言ったあなたは、
ぜいぜいしながら休憩している。

わたしは泣きながらあなたを見て、
星のことはもうどうでもよくなっていた。

「ほら、こんなに見えてきたよ。」と言って、
あなたは空を満足そうに眺めている。

あなたばかりを見るわたしに気づくと、
あなたは再びわははと笑い始めた。

「星はもう大丈夫なの?」とあなたが聞くから、
「うん、もう大丈夫なの。」とわたしが答えると、
あなたはやっぱりおかしくなってお腹を抱えて大笑いした。

わたしも急におかしくなって、
お腹が痛くなるまで笑ったの。

どこかに行っていた風が戻ってきて、
近くにある木々を揺らし始めた。

その心地のよい音が耳に届いて、
わたしたちの心を一つにさせた。

あなたと一緒に空を見上げて、
すっかり晴れた夜空を眺めた。

心地の良い風に耳を済ませて、
そっと目を閉じたりした。

「星が見えないの。」とわたしが言うと、
あなたはおかしくなって大きく笑うのだ。

そして「ちょっと待っててね」と言いながら
大きくお腹を膨らませる。

雲はあっという間になくなって、
そこからきれいな星が見えてくる。

あなたとわたしは一つになって、
心地のいい風に耳を済ませるの。

あなたの耳にも届いていく。

どこかへ行っていた風が戻ってきて、
木々をゆらゆらと揺らすんだよ。



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