【短編小説】花屋の男の子とピンクのバラの花
男の子が好きになったのは、公園で泣いている女の人でした。
女の人は、夕方の4時頃、教会の後ろにある小さな公園にやってきました。
そこには遊具がなかったから、子供たちの姿はありません。
子供たちはいつも、遊具がある大きな公園で遊んでいたからです。
女の人は、水色のワンピースに、白いスニーカーを履いてやってきました。
いつものベンチに腰掛けて、目の前を流れる川をいつものように眺めています。
すると、少しだけ肩を震わせて、今日も静かに泣くのでした。
男の子は、女の人が