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【発達障害の子どもの不登校の対応を実例から紹介】

「今日は学校へ行きたくない…」

これは、自閉スペクトラム症と診断されている筆者の娘が、ある日ぽろっと吐き出した言葉です。我が子から突然「登校したくない」と言われると、どう返していいか迷ってしまいますよね。

心が一時的にケガをしている状態」と表現されることもある、不登校。
この記事では、患者さんの実例から過ごし方や対応策をご紹介します。

発達障害児が不登校になりやすいのはなぜ?

不登校と発達障害について、過去に旭川医科大学小児科が行った調査では、以下のような発表がされています。

不登校児の57%が広汎性発達障害や注意欠陥/多動性障害などの発達障害を、また24%が不安障害などの精神疾患を有していた。87%が不登校になって初めて発達障害と診断された。

引用:不登校と発達障害:不登校児の背景と転帰に関する検討|旭川医科大学小児科
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/49/4/49_255/_pdf/-char/ja

※「広汎性発達障害」は、2024年現在「自閉スペクトラム症」との名称に変わっています

発達障害児は、社会的なルールを理解するのに支援が必要な傾向にあります。集団行動が求められる学校生活は、そうした子どもにとって過剰なストレスになりかねません。

例えば、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは、細かいルールを守ることに極端なこだわりを持つ一方で、大まかな概念を理解するのには支援が必要な傾向にあります。「休み時間の過ごし方のルール」は分かっても「なぜそれが必要なのか」という理由が分からず、ストレスを感じてしまうのです。

また、注意欠如・多動症(ADHD)の子どもは、じっとしていられず授業中に離席してしまうことも。一方で、他者からの指摘や叱責を受けると、衝動性によってかえって反発心を持ちやすい傾向もあります。

こうした行動がトラブルに発展し、学校への行きづらさに繋がるのです。


不登校時間の過ごし方

一緒に読書

とにかく本が好きなため、気の済むまで一緒に読書をする。

物語から想像力を働かせたり没頭したりしていると、モヤモヤを考えずに済むのだそう。

とはいえ「学校を休んでしまった」というざわついた気持ちもあったのか、ちょっとしたことで癇癪が起きやすい状態。そのため、娘がいつでも一人になれる場所を確保しておき、誰にも邪魔されずに集中して本を読めるようにしておきましたと親御さん。

手芸やぬりえで手を動かす

不安やストレスから少しでも離れるには、集中力の続く活動が効果的です。

なかでも没頭している様子が見られたのは、手芸ぬりえ。光で固まる透明な樹脂で作る「レジン」や、羊毛を針で刺して固め形を作る「羊毛フェルト」、毛糸のボール玉で動物を作る「ポンポン手芸」など、自分の好きなものを作る作業には長時間取り組んでたそう。

「作り切る」「完成させる」ではなく、あくまで「リフレッシュする」のが目的。そのため、常同行動(同じ行動の繰り返し)によって「パーツを並べただけ」「折り紙を1回折ってひたすら広げただけ」などでも、リラックスした様子が見られるのであれば見守ります。

家のお手伝いをお願いする

学校は休んだものの、家でじっとしてるのもそわそわする…そんな様子が見られた娘に、家のお手伝いもお願いしていました。

洗い終わった食器を拭く、など簡単なお手伝いを無理のない範囲で頼むところからスタート。また、自閉スペクトラム症の娘は普段から繰り返しの作業が好きなことから「干し終わった洗濯物を畳む」などの家事も楽しそうでしたとのこと。

お散歩でリフレッシュ

自分の世界を満喫できるおうちが大好きとはいえ、ひたすら家にこもるのは辛そうな様子が見られた。学校へ行かない罪悪感など複雑な感情も相まってか、癇癪の頻度が増え続けました。

そのため、近所を散歩したり公園へ出かけたりと、おうちから出てリフレッシュ。不登校とは関係ない内容を話しながら新鮮な空気を吸えば、障がいの有無に関係なく、子ども本人とてもいい気分転換になりましたと親御さん。


不登校児への神対応

「学校行きたくない」の気持ちを否定しない

「学校へ行きたくない」と伝えるのは、子どもにとっても勇気のいること。そのため、まずは娘の気持ちを否定せず、しっかりと受け止める。

学校へ行くことを目標にすると、行けない状況が続いた場合に親子共にストレスを感じてしまいます。

「不登校は悪い」「学校に行けない自分はダメだ」と子どもが自分を責めてしまわないよう「ときには休んでも大丈夫だよ」と肯定的なメッセージを伝える。

大切なのは「学校が嫌で行けないのは分かるよ」と受け止めたうえで、その背景にある本当の理由を一緒に考えていくことです。

発達障害のある子は、自分の気持ちを上手に言葉にできない場合があります。子どもの気持ちにじっくりと寄り添う姿勢を見せれば、子どもは安心できます。


子ども自身が困っていることを見つける

実は不登校の子どもは「本当は学校へ行きたい」と思っていることが多いものです。

「ただなんとなく行きたくない」という理由ではないため、行けない理由はどこにあるのか、子ども自身が何に困っているのかをゆっくりと見つける必要があります。

とはいえ、ストレートに「どうして学校行きたくないの?」と聞くのはプレッシャーを与えてしまうため、会話の自然な流れで「何かあればいつでも言ってね」と伝えるのでもOK。

いつでも自分の味方でいてくれる人が側にいると感じられると、子どもは自分のタイミングで困りごとを打ち明けやすくなります。

存在を承認するような声掛けを意識

承認とは、子どものできているものを「○○できたね」とそのまま認めてあげることです。

学校を休んでいる事実に背徳感を感じ「いけないことをしている」と落ち込んでいる様子の子も自尊心を損なわないよう、会話の中で自然に「○○(娘の名前)がいてくれてよかった」「○○は○○(娘の長所)が素晴らしいねー」など、子どもの良いところを具体的に伝えてあげましょう。

「存在を認められている」と実感できることは、障がいの有無に関係なく、誰にとっても大切なことです。


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