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【うつ病とひきこもり・うつ病の関係性|不登校でうつ気味の子どもへ親はどう接したらいい?ひきこもりを解決する方法】

ここでは引きこもり≒不登校で進めます。

ひきこもりの現状とうつ病との関係性

米国精神医学会が公表している精神病の診断マニュアル(DSM-5)において、うつ病は次のように定義されています。

抑うつ気分または興味・喜びの喪失のいずれか、またはその両方の中核症状と、4つ以上の精神・身体症状が、2 週間以上ほとんど毎日持続し、そのために著しい苦痛もしくは顕著な社会・職業等の機能障害を引き起こしている場合。


一方、ひきこもりは厚生労働省によって次のように定義されています。

様々な要因の結果として原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態

うつ病は全世界的にみて女性の方が多く、ひきこもりは男性に多い傾向があります。


子どものひきこもり・うつ病の現状の人数

ひきこもり状態にあるお子さんがいる世帯は、全国で約26万世帯あると推計されており、これは日本の全世帯の0.5%に当たります。

そして、日本人の1.2%が生涯に一度はひきこもり状態を経験するというデータもあります。

100人に1人が経験する計算ですから、決してひきこもりは珍しいことではなく、誰もが陥る可能性があるものだと言えるでしょう。
参考:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン


また、うつ病については厚生労働省の資料によると、2017年にうつ病を含めた気分障害に悩まされている人は127.6万人いるとされています。

そのうちの1.3%が20歳未満のお子さんであり、おおよそ1.6万人いる計算です。こちらも決して少なくない数値と言えるでしょう。

参考:厚生労働省「平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-


周囲には同じ状況のお子さんがおらず、「どうしてうちの子が」と落ち込まれている親御さんもいるかと存じます。

しかし、日本全体で見るとひきこもりやうつ病に悩まされているお子さんは多くいらっしゃり、その分、支援を提供している団体も多いです。

こういった現状も知っていただき、お子さんとご家族の状況を客観的に見るきっかけとしていただければ幸いです。


ひきこもりとうつ病の関係性

ひきこもりの人のうち36%がうつ病の症状を自覚している

厚生労働省の資料で、ひきこもりの人のうち、36%がうつ病の症状を持っていることが明らかになっています。

一般のうつ病の有病率が2.2%であることを考えると、ひきこもりとうつ病は密接な関わりがあることがわかります。


また、66.9%がうつ病を含む精神的な疾病に悩まされていると回答しています。

本人も自覚症状があり、精神的な落ち込みによって苦しんでいるのです。


ひきこもりが始まりうつ病となるケースも多い

また、もともとうつ病でなくとも、ひきこもりになってからうつ病の症状がで始める人が多いという調査結果もあります。

ひきこもりになってからうつ病の有病率が4倍に跳ね上がっています

うつ病が引きこもりの原因になることが多いが、引きこもることで発症するリスクが上がることがわかるでしょう。

外に出なくなり、人との関わりがないことで思考が堂々巡りになって、気分が落ち込みやすくなります。

ひきこもりが長期化するとうつ病の発症につながるリスクがあるため、早期の解決が欠かせません。
早期の解決のためにも、できるだけ早く専門機関へ相談し支援を受けることが大切です。


ひきこもりを支援する家族もうつ病を発症しやすい

また、ひきこもりの人を支援する家族もうつ病の発症率が高いというデータも出ています。

厚生労働省が行った調査では、ひきこもりの人を支援しているご家族のうち、うつ病の可能性がある人が20.6%いました。

本人をサポートしていくためにも、家族も支援を受けるようにしましょう。


参考:厚生労働省「ひきこもりの実態に関するアンケート調査報告書

厚生労働省「令和3年度生活困窮者自立支援制度人材養成研修 ひきこもりの実態と社会的背景・要因の理解

内閣府「わが国における「ひきこもり」の実態と関連要因:世界精神保健日本調査から」


ひきこもりになる要因とはうつ病だけが原因ではない

ひきこもりになる原因はうつ病だけでなく、次のように様々なものがあります。

対人関係


自己肯定感の低さにより対人関係がうまくいかなくなり、ひきこもるケースです。


自己肯定感が低いと

  • 自分らしく振る舞うことができず疲れてしまう

  • 周囲に悪く思われていないか不安になってしまう

こういった症状により、本心を打ち明けたり、安心して過ごしたりできなくなります。


常に無理をしている状態になってしまい、対人関係が苦痛に感じるのです。


うつ病などの気分障害


うつ病や適応障害によって、気分の落ち込みが激しくなると、人との関わりが大きな負担となります。


  • 話すことが億劫で仕方ない

  • 頑張れば話せるけどその後どっと疲れてしまう

  • 意味もなく涙が流れる

こういった症状が出ると、外に出て誰かと話す意欲が徐々になくなっていきます。


無理に明るく振る舞おうとせず、ゆっくりと休息を取ることが大切です。


社会不安障害


社会不安障害で人と関わることに強い不安を感じる場合、外出すること自体が怖く、ひきこもりがちになることがあります。


  • 話そうとすると赤面してしまう

  • 動悸がひどく手足が震えてしまう

  • 胃がムカムカし吐き気を伴う

こういった身体症状が見られることもあり、「症状が出たらどうしよう」という不安につながり、さらに身体症状が悪くなるという悪循環に陥ることも。


自宅にいても症状が出た時のことを思い出し、常につらい気持ちで過ごす方もいます。


まずはリラックスして過ごせるように、ご家庭の環境を整えてあげることが大切です。


統合失調症


統合失調症は感情の消失と幻聴や妄想といった症状により、社会生活が困難になります。

感情の消失により外出する意欲がなくなったり、現状や妄想などにより、一貫性のある会話や行動が難しくなったりするためです。


薬物療法なども組み合わせながら症状をコントロールしつつ、徐々に生活を整えていくことが大切です。


発達障害


発達障害の傾向によってコミュニケーションで問題が生じ、ひきこもりになるケースもあります。

お子さんの場合には、クラスで浮いてしまったり、授業についていくのが難しくなったりして学校に行くのがつらくなるケースが多いです。


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