英語の必要性
英語はできた方が良い。そんなことは誰もが思っていることだろう。では、どの程度できると良いのだろうか。
現在の職場で私は日本語6割、英語4割で仕事をしている。お客様とは日本語で、社内のメンバーと話す時は英語と日本語が混じる。日本企業でありながら、日常的に英語を使う環境で働けることに興味を感じて、1年前に転職したのだ。同僚の日本人も英語を当たり前のように話す。皆、本当に英語を使いこなしている。
学生時代に私は英語が嫌いだった。文法も英単語も覚えることが多すぎるのだ。しかも、少し覚えたところで上達が感じられないし、使う場面がなかった。だから、英語とはあまり関わらないであろう日本企業で働くことを決めていた。しかし、その目論見とは裏腹に、入社直後の上司から英語は必ず勉強するように言われた。その頃から、私は英語と本気で付き合い始めたと思う。
文法を学び直したり、英単語帳を買ったり、英会話スクールに通ったり、1週間の短期で留学に行ってみたり、貧乏な若手時代に時間とお金をかなり投資したと思う。少し自信がついてからはTOEICを受け続けた。数字として結果が残るので上達が感じられた。その後、運よく英語が必要な仕事に関わることになった。ただ、仕事で使う英語はTOEICとは違った。会話ができないのだ。プレゼンは事前に準備ができるが、質問に対して即答できない。英語を話せるようになるためには、常に英語でアウトプットする環境、経験が必要なのだ。
有難いことに、私はその後も英語を使う仕事に関わることができた。それは、当時の職場の同僚と比較して、私の方がまだ英語ができたからだ。おかげで英語を使って仕事することに慣れることができた。もし、私より英語ができて、業務知識も豊富なメンバーがいれば、私には仕事が回ってこなかっただろう。本当に運が良かった。
冒頭の話に戻る。どの程度、英語ができれば良いかだ。まず、英語が全くできないのであれば、英語を使う仕事に関わる可能性は低いだろう。つまり仕事の中で上達する可能性も低い。では、英語ができる人はどうだろうか。もし、同僚と比べて相対的に英語ができるのであれば、英語を使う仕事が回ってくる可能性は高い。その仕事の中で自分の英語力を上達させることができるかもしれない。では、同僚が皆、英語ができるならどうだろうか。その場合は英語が特別な能力ではなくなる。英語ができることが当たり前なのだから。つまり、「周りの環境によってどの程度英語ができれば良いかは変わる」というのが結論になる。(歯切れが悪いが…)
英語を学ぶことは先行投資だと考えている。しかも、1、2年の短期でリターンが出るものではなく、中長期的な投資だ。学び続けることができれば、必ずリターンが出るものだと考える。私自身、社会人になってからの十数年間でリターンは確実にあったと感じる。ただ、一つ注意すべきは、英語ができることが重要なのではなく、英語を使ってどのような価値が出せるかだ。英語は、自分自身が提供できる価値を更に増幅するためのものなのだから。