#51 食文化って
世界の国や地域ごとにそれぞれの特徴や傾向があるのはもちろんだけど、
もっとミクロな単位で、一人ひとりが食文化を持っているんじゃないかと思う。
ふだん自分が作るごはんを思い返してみる。
茅乃舎だしには大変お世話になっていて、和風の味付けをするときはこのだしパックを入れたらぜんぶ美味しくなる。
頼りにしているレシピサイトは白ごはん.com。
「おもてなしから基本まで」がコンセプトで、卵焼きからチラシ寿司、ちょっと風変わりなお味噌汁のレシピやブロッコリーの茹で方まで、幅広く、そして何よりも「超丁寧に」解説が載っている。このレシピサイトに載っているとおりに作れば絶対に失敗しない、めっちゃ安心感のあるサイトだ。
茅乃舎だしと白ごはん.comの組み合わせが私の基本で、肉じゃがとか、豚バラ大根とか、ミートソースとか、具材を切って煮込んだら出来上がるような料理が多いな~と振り返って思う。
冒険レシピはあんまり無くて、誰もが一度は食べたことがあるような、お子様はみんな好きな、基本のキな料理が好きみたい。冷蔵庫にあるテキトーな食材を使って名の無い料理を作れるようになるのはまだまだ先な予感。
母は私の味覚を育ててくれた張本人。母も父も九州うまれなので、基本的にちょっと甘めの味付けで育った。
いつの日か母に、
「料理が美味しくなる秘訣教えてあげる。それはね…愛なんかじゃなくて、砂糖よ、砂糖。」と言われたのが懐かしい。
そんな母の料理も、チキンライスのチキンの代わりに魚肉ソーセージを入れて私がとても嫌がった(魚肉は苦手)あの日以外は、パスタといえばミートソースや明太子だし、おにぎりと言えば梅とおかかだし、私の料理スタイルと同様に冒険レシピはあんまりなくて、でも私の大好きな料理をたくさん作ってくれた。
外で食事をする以外で身近な人にご飯を作ってもらう経験はほとんどしたことがなかったのだけれど、
最近、パートナーに料理を作ってもらう機会があった。鶏のから揚げやコーンとツナのパスタなどなど、もう、めっちゃ美味しかった。
それまでもお互いが作った料理の写真を送りあったりしてたのだけれど、会う時間が毎回限られていることもあって、ご飯をふるまう&ふるまわれることは無かったのだ。
そんな彼はひいきにしている料理Youtuberがいるようで、動画を観てインスパイアされては新しくレパートリーを増やしていっている。私はレンジを使って料理をすることはあまり無いけれど、彼はとても上手に使って時短も実現している。タンパク質や野菜を意識して取り入れていて、炭水化物大好きな私とは全然違うのだ。
同じ日本に生まれた二人だけど、それぞれのレシピに影響を及ぼしている人やものは異なっていて、使う食材や料理の傾向も全然違う。
レシピサイトに出てくる調味料も結局は違うメーカーのものを使っていたり、煮込む時間や鍋の種類も同じにはならなかったりして、
結局、一人ひとりが自分の「食文化」を持っていることになるんじゃないだろうか。だって、身近な人でもこんなに違うんだもの。
異なる「食文化」に触れることはとても新鮮で楽しいし、それを食べる人が同じように作ってみたり、SNSにアップしたりして広がって、それぞれの場所で自分の料理スタイルに取り入れたりして、また新しい「食文化」が作られる。
食は限りなくダイバーシティだね!