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「アートを愛する理由」〜『楽園のカンヴァス』を読んで〜
今日も僕のnoteをクリックしてくださりありがとうございます。
そして、初めましての方、今後ともどうぞよろしくお願いします🤲
Jリーガーが書く読書感想文です。
基本的にはネタバレありです。
ひとつよしなに。
『楽園のカンヴァス』
著者、原田マハ さん
出版、新潮文庫
まずはこの本を読んだきっかけから。
昨シーズン、所属していたFC大阪のスポンサードをしているプエンテコーヒーさんの店主さんが、原田マハさんをお薦めしてくださったのがきっかけです。
ミステリーや絵画といったジャンルにはとても疎かった私は、情けないことに初耳でした。
基本的には、お薦めしてくださったものや無知だったものについて、僕は自分自身だけじゃ選ばないものに出会えた!と前向きに思うタイプなので、食わず嫌いせず、ガンガン突っ込んでくるスタイルです。
そして、出会ったのがこの『楽園のカンヴァス』という作品でした。
では、本題です。
読み終えて、まず、
「え、これフィクションなの?」
と感じました。
圧倒的なリアリティーとそこに付け加えられた創作。実際に存在するルソーやピカソなどの作品が登場したり、フィクション上の作品も登場したりと本当にそこの境界線が滑らかすぎるなと感じました。
絵画には疎い僕は、読み進めながら、登場する絵画を逐一調べて、こんな絵なのねと確認しながら、そして、その絵画を文字起こしする原田マハさんの表現にも注目しながら読み進めていました。素敵な表現ばかりで正直、うっとりです。
そして、話の展開の上手さにお手上げでした。普段、僕は章ごとに進められる小説をその章ごとに止めず、次へ次へと入り込んでいくタイプなのです。
逆を言うと、その章で一旦休憩しようかなと思うような本はあまり入り込めていない傾向がありました。
ただ、この本は初めてのパターンでした。
章ごとに、ふぅーと息を吐き、自然と休憩を取っている自分がいました。その理由は、決してネガティヴなものではなく、次に進むのが勿体無い、終わってしまうのが悲しい、と感じていたからだと思います。
物語の登場人物とともに、古書を読み進めていく感じがそれを引き出したのかなと考えます。
構成、展開ともに読者の没入感が半端なかったです。
原田マハさんの圧倒的な絵画に対する知識量というのも魅力の一つだと思いました。僕個人的には、物知りな方に魅力を感じます。そして、今回、そのルソーやピカソなどの実際に存在する彼らについて、惜しみなく書かれています。へぇー、そうなんだ!すげー!しらなかった!と僕の知識不足も相まって、面白くて大人気な講義を受けている感じで、読んでいて楽しかったです。
いまだに、どこまでが事実で、どこまでが創作なのか、はっきりしていないこともあるので、なんとも言えませんが、かなり絵画の世界に興味が湧きました。
正直に言うと、アートの良さを僕は分かりませんでした。
ただ、今はこの本に書いてあった、この言葉がその考えをガラッと変えてくれました。
美術館とは、芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は、太古の昔から芸術家たちが表現の対象としてみつめ続けた動物や花々、この世界の「奇跡」が集まるところ。
アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。アートを愛する、ということはこの世界を愛する、ということ。
数世紀に渡り、多くの人々に寄り添ったアート。その「アートを愛する」理由がその表現に詰まっていると僕は思います。
本当に新しい世界を見せてくれた一冊でした。
気がついたら、本屋に行って、原田マハさんの本を2冊ほど、購入していました。
次の本も本当に楽しみです。
以上。
ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました😊
これからもご贔屓に😉
読書感想文を書くJリーガー櫻庭立樹
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