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ゲーム業界のジャニーさん?! 〜役員面接〜

この記事では、どうして私がゲーム会社に入ったのかをお話ししています。

今だからこそ、この会社は私の人生のターニングポイントだったと思います。社会人として、クリエイターとして、原点でありすべてを学んだ会社。
ここがあったから今の私がいると言っても過言ではありません。

25年経っても、あの日見上げた窓を同じように見上げる時があります。
それでは、私の思い出の役員面接へ参りましょう!

📚📚📚

前回のお話はこちら↓


緊張の役員面接


そして翌日。

またまた都会の駅に降り立った私は、十分に間に合うにも関わらず、ハイテンションで早足。
昨日は慣れない都会の人の多さに驚いたけれど、今日の私は一味も二味も違う! この人混みをボクサーのようにスッと交わし、たじろぐことなくあの高層ビルを目指す。

どんどん早くなる急ぎ足で、ついにビル下へ到着。
高層ビルの下から、昨日の"あの部屋"の窓を探す。
首を後ろに傾けて、2階、3階、4階、、、と指差し数えるも、上すぎて見えない。

ビルのエントランスからは、カラフルなネックストラップに社員証を入れた人たちが、出入りしている。

「おつかれさまです!」

もう誰にでも挨拶していきたいぐらい、気分が上擦っていた。
とにかく首から下げたネックストラップの社員証に超憧れを持った瞬間だった。

ピカピカに磨かれたエレベーターで上層階へ。
昨日と同様に受付を済ませ、同じ応接室へ通された私は、今日はまっすぐ前しか見ない、と固く心に誓っていた。

😤 😤 😤 

あなたは、ジャニーさん?


「ガチャ」

扉が開いた音と共にサッと立ち上がった私は、姿勢良く真っ直ぐに立ち、相手が目の前に来るのを待った。
目の前には、上着はきていない、おしゃれな役員さんとプロマネの女性。テレビか!と思うぐらい、2人がなんかカッコ良かった。

間髪入れず、
「はじめまして、本日はお忙しいところお時間を割いていただきありがとうございます。さくらさくと申します」
きっちり、30度頭を下げた。

(よし!)

元々、面接は得意だったので、上々の滑りだし!今日はイケる気がする!
この試合、いただきマンモス!!

そんなとき、役員さんがゆるくソファに座り直し、足を広げた膝の上に肘をつきながら、口を開いた。
「"さくろ" はさぁ〜」

私:「????????????」
(え?あなたは、ジャニーさん?)
(なんで下の名前で呼ぶん??)
(あっ!さすが、A社!ワールドワイドってことか!)

冒頭の挨拶でポイント稼いだだけで、完全に役員のペース。

その後の細かい質問は覚えていないけれど、忘れられない質問が2つ。

役員:「ドライブ好きなんだね、車の色は何?」
私:「白です」
役員:「なんで白にしたの?」
私:「はっ!これからは清廉潔白に生きようと・・・はっ!!何もしていません!!」
役員:「さくろ、おもしろいね!」
役員:「最近、泣いたことある?」

この日の帰りは、まったく記憶にございません!
それから数日して、電話がかかってきて無事に採用となった私は、この後、25年にわたり、このゲーム業界にいることになるのです。

今でも昭和の象徴的な映像として、お正月のゲーム販売にすごい人が並ぶ様子が残っている時代のことです。

エピローグ:役員との思い出


無事に社員となってからも、なぜかしらこの役員のお気に入りに。
「さくろ、今日のお昼何食べたい?」
そのたびにプロマネや周りの女子に目配せをされ、
「〇〇(高級ホテル)ノ レストラン ニ イキタイデース」

オムライス¥1,800

黄色い卵が美しく均一に広がり、その上にはちょんとエビが鎮座。 ベルベットを思わせるツヤツヤしたソースは、まるでホテルの高級感そのもの。

ペーペーだった私は、仕事があるから先に戻ろうとすると、
「夕方お腹が空いたら食べなさい」
とケーキまで持たせてくれる役員。

フロアに戻れば「探してんのに、どこ行ってんだよ!」とディレクターにキレられる。

そして夕方、ケーキ三昧した上機嫌な女性陣が戻ってきて、
「さくらのおかげで、いいものを食べれたよ。ありがとね〜」
と言われるのでした。

そんな思い出の役員は、数年前に定年退職なさいました。
その節は、本当にありがとうございました。


次回は、アシスタントのお仕事について、書きたいと思います。 想像を超えるアシスタントのお仕事、でも、それが私の原点。
中途採用で入ってきた元・都市銀行員もすぐケツを割るお仕事内容です。 思い出の時代、愛しき日々✨

本日も最後までお読みくださり、有難うございました。
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