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アメリカ挑戦記(後編):ラーメン店から始まる新規事業
前回までのお話し ↓
新たな夢への一歩
頑張る若手スタッフを
「会社としてサポートして、海外へ送り出したい」
そう考えたのは、CGデザインは、
何もゲームだけに出てくるものではなく、
ゲームをしない人にも見てもらうには、「映画」です。
映画にも携われるCGデザイナー、しかも海外のスタジオの仕事に関わることができたなら。
そう考えた私は、
安易にも大阪から東京へ仕事を獲りに行くレベルで、
海外に出ることを決めるのです。
✈️ ✈️ ✈️
厳しい現実
そして、渡ったサンフランシスコ、シリコンバレー界隈。
世界中から優秀なクリエイターが集まる場所。
その中で、英語も流暢ではない、世界的な実績もない
私のような存在が目立つことは、
まるで南極のブリザードに吹き付けられるぐらい厳しかった。
『世界の壁は高かった』
もうこの一言に尽きます。
運命のひらめき
じゃあ、ここで目立つには何をすればいいのか?
そこで閃いた作戦が、『ラーメン』
当時、アメリカは空前のとんこつラーメンブーム。
IT企業のロゴが入ったパーカーを着た若者たちが、
長蛇の列を作っているのです。
で、そのお店のラーメンを食べると、ひっくり返るぐらいマズイ!!
椅子から転げ落ちそうになる程・・・マズイ!!
そして、ひらめいた!
これだ!!
『本気のラーメンば、見せちゃるばい!』
(※ 私は生粋の関西人です・・・)
🍜 🍜 🍜
ジャパン・エキスペリエンスを!
いつもの自分を取り戻した私は、
ポップコーンが弾けるが如く、アイデアが湧き出てくる!
その店は、一歩足を踏み入れた瞬間、
他のラーメン店とは一線を画す空間ーー
壁には、夫婦鯉の滝登りを壁画で描き、
どこからでもキラキラするように金粉を撒く。
その横には、日本の象徴:富士山。
時間帯によって色が変わるようにライトでショーアップ。
風呂屋か!というようなベタな壁画でいい。
日本に来たことがない人は、これが日本なんだ。
日本に来たことがある人には、あぁ日本なつかしい。
そう感じてもらえるように、
私たちの得意とするデザイン要素を散りばめる。
Feel JAPAN!!
This is the Japan experience!!
🇯🇵 🇯🇵 🇯🇵
妄想が暴走する
次々にアイデアが湧いてくる。
ランチに訪れる現地のIT企業のクリエイターとの会話:
(超・妄想)
客「このラーメン、めちゃくちゃ美味いよね!」
「店内のデザインもすごくクール!」
私「サンキュー!実は、日本ではCGデザインしてるんだ」
客 「え、デザイナーなの?僕たちも映像の仕事してるよ」
私「そうなんだ?!あの壁画も自分たちで描いたんだ」
客「マウント・フジも超クール!今度、うちのスタジオ見学に来ない?」
(超・妄想おわり)
ビューティフル!!
なんてビューティフルなアイデアなんだ!!
と自画自賛しつつ、
これは絶対に実現する!と確信した。
世界への夢は一度打ち砕かれました。
でも、今度は違う。
ラーメンという遠回りな道から、必ず夢を叶えてみせる。
そんな新たな燃え盛る野望を胸に、私は日本へ帰国したのでした。
急がば回れ!(え?違う??)
次回からいよいよ、アメリカ・ラーメン事業編です
🇺🇸 🍜 🇺🇸 🍜 🇺🇸 🍜
ゲーム業界歴25年。
開発をやってきたおかげで、自走力が身につきました。
新規事業の壁は高いと思えば高く、行けると思えば低くなります。
低くなるというよりは、夢中だから高低差なんて気にしていられません。
こんな私のただの始まりの記録を、本日も最後までお読みくださり、有難うございました。
フォローいただけるとパワーになります。
決して損はさせません!!
私の経験が、誰かの何かを始めるきっかけになれれば幸いです。