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ローマの休日にアジア人差別
内田舞さんの「ソーシャルジャスティス」を読んで、初めて知ったのですが、ローマの休日にはアジア人差別の内容が含まれているそうです。
もちろん、ローマの休日という作品があること自体は知っていましたが、ちゃんと観た事なかったので、そんな内容が含まれているとは全く知りませんでした。
どんな差別内容なのかというと、顔を黄色く塗り、目を細くつりあげ、鉢巻にメガネ、出っ歯の付歯をした白人が日本人役を演じています。滑稽で馬鹿にされるためだけに登場するような役だそうです。
ローマの休日は随分と昔の作品なので、このような表現があるのは、とても残念だけど、まぁ昔はそうだよなと思うのですが・・・。
なぜ、日本でローマの休日って日本人差別があって嫌な映画だよねとならず、古き良き美しい映画みたいな感じで捉えられているのかという点に疑問をいだきました。私自身もこの本を読むまで、ローマの休日にそんな表現があるなんて知らず、オードリー・ヘップバーンがとにかく美しい映画というようなイメージしか持っていませんでした。
今はだいぶ変わってきているとは思いますが、やはりもっと抗議するという姿勢を持つべきなんだろうなと思います。いまだに、良き映画のようなイメージで再放送されているのは、何故なのかよくわかりません。
アメリカで暮らしていて、差別って本当にちょっと前の世代までは当たり前だったんだよなと強く感じます。
私達の世代でも(30代、40代を想定)多くの問題を抱えていますが
その上の世代(私達の親世代)では差別って当たり前で、普通の事すぎて
問題意識すらあまり持っていなかったのでは?と感じます。
ローマの休日がアメリカで公開されたのが、1953年。
私達の親の世代ですよね。
日本初公開
『ローマの休日』の日本初公開は、1954年4月27日(東京地区)であったことになっているが、正確にはそれより6日早く、4月21日に長崎県佐世保市の「佐世保富士映画劇場」で先行して公開されている。4月23日には名古屋市の「名古屋ミリオン座」で封切られ、28日間の興行で名古屋地区洋画興行界始まって以来の大入りとなった。他の一部の地方都市でも、東京よりも早く公開されている。4月27日公開の東京の日比谷映画劇場では当初3週間の上映期間のところお客が減らずに延々と延ばされ、最終的に5週間と3日となり、開館以来の新記録を打ち立てた。大阪でも開館以来のヒットであった。最終的には1954年公開の洋画での配給収入第1位になっている。
今、もしこのような映画が公開されたら、大問題になると思うし、当然抗議の声が多くあがり、映画自体が公開中止に追い込まれるのではないかと思います。が、しかし、↑このような内容からもわかるように、昔は普通の事だったんだろうなと思います。
おそらく、私達の子供世代、さらにその子供の世代になると、私達の時代で普通だと思っている事も、昔はそれが普通だっただなんてありえないという事がたくさん出てくるんだろうなと思います。
何事においてもですが、特に差別のような大事な問題に関しては、当たり前という認識を持たずに、常に本当にそれで良いのかという疑問を自分に投げかけ続けていくのが大切だなと思います。