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自分って(3)


「ただい・・・ま・・・」

終業式を終え、いつものように帰宅すると、家には親戚の叔父と叔母と知らない大人が沢山いて、何やら騒がしい。

子供でも一瞬にして異様な雰囲気に気が付く。不安になってキョロキョロと母を探すがどこにも見当たらない

すると親戚の叔母ちゃんが私を抱きしめて無言で頭を撫でてきた。ただただずっと抱きしめてくれていた。誰も何も言ってくれない時間が暫く、いや、かなり長く続いた後、母が父と帰ってきた。。。

父はもう動かぬ人

白装束になって帰ってきて、用意された布団に寝かされた。

やっと帰ってきた母なのに、泣き崩れる母がいつもの母ではない気がして、怖くて私は近づくことすらできなかった。抱きしめてくれていた叔母にずっとくっついて、ただ黙っていることしかできない。

そしてだんだんお通夜の準備が黙々と、親戚が加わるとそこでまた怒鳴り声や呻き声とも言えない叫び声、泣き声と共に進められていく。

その時兄は何処にいたのかな···、思い出そうとしても思い出せない。私の記憶も幼さもあってか所々欠けている。

父が亡くなるちょうど一年前の冬に祖父が大動脈解離で亡くなっていたこともあり、幼いながらにお通夜、葬儀の記憶が新しい。なので着々と進められてゆく葬儀の過程を把握していたし、何も聞いちゃいけない空気がそこにはあった。

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