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【人生に活かす心理】頑張っても意味ない病(前編)〜学習性無力感の基本〜

学習性無力感はご存知ですか?

超有名なので、聞いたことがある方もいるかもですね。
アメリカ心理学会の元会長マーティン・セリグマン氏の動物実験が有名です。
実験方法は調べればいくつか出てきますが、チョロく結果のみををお伝えしますと、

頑張ってもいい結果が得られない経験が続くと、どうせ意味がないと思うようになる

という「そんなん当たり前やろ!」という感じのです。

とはいえ、そう感じられて、有名になるにはやはり理由があります。
社会、メディア、職場、学校、家、個人、ネットなどなど、ありとあらゆるところにあるのです。
よい人生には、学習性無力感への対策が必須なのです。

頑張ってもいい結果が得られないと書きましたが、これ自体は要因の一つに過ぎません。
個人的性格、考え方の癖、周りの人間や環境、生育環境や経験など、色々と要因が絡みあっているのです。


例えば、取り組んでいることからポジティブなフィードバックが得られないと、「向いてない」「できっこない」「私には無理だ」「どうせ意味ない」と諦めてしまうことがあります。
これが典型的な学習性無力感ですね。
皆さん、実感できるところじゃないでしょうか?
「頑張る」→「いい結果なし」が続くと、「ダメだー」ってなるわけですね。
自然な流れだと思います。
しかし、達成できるレベルや状況がきても最初から諦めてしまうようになるため、タチが悪いのです。

個人レベルの理由だと、完璧主義な人、経験からくる「きっとダメだ」の思考の癖が、新しい状況に対して、学習性無力感を起こしやすくします。
完璧主義な人は、少しダメだと全部ダメと考えやすいです。
経験から思考が偏っている人は、「どうせダメだから」の型ができているわけです。
これらは、すでに大枠の学習性無力感ができている状態と言えるでしょう。
根本的にメンタルを改善していく方が望ましいです。

環境レベルの理由だと、親や学校の先生や友人、職場での上司や同僚、後輩からネガティブな声かけや評価を繰り返されることで、やはり大枠ができてしまいます。
やはり、新しい状況に対して、「無理だわー」となるでしょう。


対策が必要ですね。

【個人レベル】
長期的にはマインドセットの改善が必要です。
結果至上主義な完璧主義から、過程重視のしなやかマインドセットに変えていった方が生きやすくなります。

・自分ができる範囲の小さな成功体験や進捗感が得られるような計画や行動も大事です。
人は、長期的な成果だけで動くのが苦手です。
短期的に、小さく成功体験が得られるように小さな目標設定をしていけば、無力感を緩和しやすくなるでしょう。

難易度設定も大事です。
そもそも達成しづらい目標ばかり立てている場合、自分から失敗の確率を上げ、学習性無力感に飛び込んでいっている可能性があります。

・環境の変化があった場合は、どうしてもうまくいかない場合が増えますが、それは当然です。
これはコンフォートゾーンの理解が役に立つでしょう。


【環境レベル】
特に、親、教師、上司ですね。

ポジティブな声かけが必要です。
無意味にネガティブな言葉を使う人がいますが、それは害でしかありません。
じゃあ、「何でもかんでもポジティブに言えばいいのか?」と思うかもしれませんが、同じ事柄でも視点の違いで話し方は変わるものです。
自分の視点が一方向からに偏っていないか見直す必要があります。

・失敗について話す時も、得られた学習、次への改善について話し合うことはできますし、それについてネガティブに話す必要性はありません
むしろ心理的安全を感じられる空気感を作った方が、創造性もモチベーションも上がることが明らかになっています。
当人の成長やメンタル改善にも役立ちます。

・個人レベルと同じですが、小さな達成感や進捗感が得られるように、計画、難易度、適正など環境を整えることも効果的です。
少なくともマネジメントする立場にある方々には、これが含まれた報酬が支払われているはずなので、やっていないなら報酬と共に立場を返上すべきです。
親の立場でも参考にできる部分があると思います。

環境が変わっている場合はそれを本人と共有して、今は失敗しやすいししてもいいこと、段々と変わっていくことを認識し合うことが大事でしょう。
それこそ進捗感に活かすチャンスでもあります。

学習性無力感は小さなものから大きなものまで身の回りにたくさんあります。
これのせいで、手に入るはずのチャンスすら諦めてしまいます。
本当はいい思いができるはずなのですから、上手にその波を乗りこなして生きていきたいものです。

後編では、悪意をもって学習性無力感をもたらす人について書きます。
続きもどうぞ!


↓完璧主義をやめて、柔らかく考えるために良い本です。


↓マネジメントする人が読むべき本。小さな進捗感の重要性がわかります。

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