よく食べるためによく遊ぶ、1泊2日の博多旅
12月のとある日、1泊2日で福岡県へ行った。
今年の春に韓国へ行ったメンバーと同じ、私を含む40代女性3人。今回もひたすら食べ、食べるかたわらお腹をすかせるために遊ぶ…みたいな旅になりました。
1日目
朝8時過ぎ、新大阪駅に集合。
冬場の国内1泊、ひとり旅ならたぶん下着と化粧品のみで身軽に行くのだが、女友達との旅行となると何か気恥ずかしい…あとお土産もいっぱい買うだろうし…とスーツケースを引いていったら、友人のひとりはリュックひとつ、もうひとりに至ってはちいちゃいハンドバッグと普通のエコバッグのみで、あまりの軽装に「メアリーポピンズ?」と訊いてしまった。荷物を減らすの上手すぎ。
新幹線の中で、『えん』(JR系列の施設によくある、だし茶漬けのお店)で買った、おかかとたくあんのおにぎりを食べる。
クリスマスマーケット〜うなぎ
11時ごろに博多駅に到着し、中洲のホテルに荷物を預けて、まず向かったのはうなぎ屋さん!
タモリさんの行きつけ?だそうで、友人がぜひ行きたいと前々からリンクを送ってくれていた。お店は整理券制で、行ってみると65分待ち。ひえええ。
空腹だったためやや怯んだが、まあ時間までに戻ってくればいいわけだし、整理券のQRコードで状況確認できるし…と、券を取って外に出る。
ぶらぶら歩いていると、うなぎ屋さんのほど近く、公会堂貴賓館という建物がある広場で、大量のサンタクロースに遭遇。
この時期の福岡はいろんなところでクリスマスマーケットを開催しているらしい…ということはなんとなく知っていたが、まさかこんなにサンタさんがいるとは。
周りのお店ではクリスマスオーナメントやスノードーム、そしてビール、ワイン、ホットチョコレート、なども売られていてテンションが上がる。
「小一時間なら、ここでビールを飲んで待とう!」ということになり、いそいそとビールを買った。クリスマスマーケットといえばホットワインのイメージだし、銅の大鍋でなみなみと作られているらしいホットワインは実際とても魅力的だったのだが、マグカップ込みじゃないと買えないとのことで断念。
寒かったけれど、きーんと晴れた空の下で飲むビール、あまりにも最高!!
あっという間にうなぎの時間が迫る。
(会話の中で「QRコードで待ち状況を確認する」みたいなことをすぐに「アレでアレ見れる?」「あーアレね」などと言い合ってしまうので、お互いの老化を防ぐために「アレって何?」と指摘し合うことになった。旅の間じゅう、脳が活性化されてよかった)
うなぎ屋さんに戻ると、ちょうどのタイミングで席に通していただけた。
いよいよご対面!
一口食べて衝撃を受ける。
お…美味しい…!!!!!
頼む前は「うな重、うなぎとごはんが別なんだ?タレのしみたごはんが美味しいんじゃないの?」とちょっと思ったし(ちなみにタレごはんが好きな方は「うな丼」も選べます)、それ以前に「いやいや、関東風の蒸し焼きに勝るものはないでしょ〜」と正直思っていた。
しかし、これはまったくの別物。うなぎが単体で美味しすぎる!!皮はパリッと、身はふっくら。タレが別添えでついているが、タレなし、ごはんなしで十分すぎるほど美味しい。もちろんごはんとも合うのだが、おのおのビールや日本酒を飲んでいたこともあり、少しずつごはんを余らせてしまった。
「次に来たときは、ごはんなしの『蒲焼』でお酒を飲んで、最後にごはん一人前を単品でシェアするのがいいね」と決める。すでに次のことを考えてる。
チームラボフォレスト福岡
食事と食事の間、お腹をすかせるためのアクティビティとして、友人が調べてくれていたのが「チームラボフォレスト福岡」。
バスでPayPayドームに向かい、ドームの隣のBOSS E・ZO FUKUOKAというビルへ。ちょうどドームでSUPER EIGHTのライブが開催される日で、ファンと思しき方がたくさん。着いてから知ったのだが、このビルの中に福岡よしもと漫才劇場もあり、さらにHKT48の劇場もあって、あらゆるエンタメが集まって混沌としている感じがよかった。
チームラボの展示をちゃんと見るのは初めてだったけど、面白かった〜!アプリを使って壁にいる動物をつかまえたり(つい夢中になってしまう)、ふわふわと柔らかい床の上を歩いたり、見るだけではなくて全身で体験するイベント。最後は自分たちでペイントした生き物(それぞれが食物連鎖の一員になっている)が映像になり、動き回ったりお互いを捕食したり…という様子を見ることができる。
大満足で会場を出て、またバスで博多駅へ。阪急のデパ地下を冷やかし、明日帰る前に買いたいものを予習する。
もつ鍋〜キャナルシティ〜豚骨ラーメン
少し早いけれど晩ごはん!
予約していたのは、『博多ほたる 西中洲本店』。店員さんたちが元気で親切で、気持ちのいいお店。
ビールに日本酒、ワインも飲んですっかり良い気分に仕上がった。
しかし、せっかく博多に来たからには、〆にラーメンを食べたい!
とりあえず腹ごなしにキャナルシティ周辺を散歩。噴水のショー、はじめて博多に来たとき(かれこれ15年は前である)感動したなあ。いまもやっぱりテンション上がる。
キャナルシティ周辺の屋台も魅力的だったが、ぎゅうぎゅうに混雑していて私たちにはややハードルが高かったので、定番の『Shin Shin』へ。いちばん近そうだった福岡パルコ店、15分ほど並んで入れた。
あっさりしたスープとごく細い麺は、さっきもつ鍋やら何やらを食べたばかりとは思えないほどするする入る。美味しい!
ラーメン以外の、おつまみや一品メニューも充実していて、ここでがっつり飲むのも楽しそうだなあ…と思いつつ、お腹いっぱいで満たされて退店。
帰りに通った公園でも、クリスマスマーケットをやっていた。クリスマスマーケットの頻度と濃度がすごい。この1日で、3年分くらいのクリスマスを摂取している。
なんだかんだでこの日は20000歩以上歩いていた。ぐったり疲れて、ホテルに帰った瞬間寝落ち。
2日目
パン祭り
この日の朝の予定は「パンを買いに行くこと」と決まっていた。有名なアマムダコタンの系列店、『ダコメッカ』にぜひとも行ってみたかったのだ。
開店が8時、私たちが着いたのは8:20頃だったが、すでに大行列だった。すごい…!
中の様子をうかがいつつ30分ほど並んで、ようやく入店。店内は一方通行スタイルで、あとからもう一度取ったり戻したりができないので、吟味しつつも気になったものはすぐに取る、という判断力が求められる。
ぜんぶ食べたい…という気持ちをなんとか抑え、6個購入。うち2つをイートインで食べた。
甘いのもしょっぱいのも美味しくて、朝から多幸感に包まれる。
食べ終わってから気づいたのだが、イートイン用にセルフで使えるトースターが置いてあった。これからイートインする方は温めるのがお勧めです!温めなくても十分美味しかったけど。
ちょっとだけ糸島
2日目、お腹をすかせるためにどこに行く?という話をしていて、「福岡観光といえば糸島では?」というざっくりしたプランを立てていた。
なんとなく調べたところ、博多から筑前前原駅まで電車1本、40分ほどで行けるらしい。わーい!
…と、乗り込んでからようやく詳細を調べ始めて(遅い)分かったのだけど、糸島と聞いてイメージする海沿いのブランコやらバスのカフェやらは、駅からかなり遠い。
バスもあるにはあるが本数が少なく、あまり現実的ではなさそう。レンタカーで回る人が多いようだが、我々は3人とも運転に自信がない。となると残りの手段はタクシー。
「タクシーでももちろんいいけど、私はブランコとカフェにそこまでこだわりはないから、駅周辺をぶらぶら見るのでも全然いい」
と言ってみたところ、ほかの二人も
「うん、私も」
「海はこの電車から見えてるしね」
と賛同してくれた。こういうときの行動基準が似てるの、まじでありがたい。
相談しているうちに筑前前原駅に到着。Googleマップを見て、駅の北側にカフェや雑貨屋さんがあるのが分かったので、そのあたりを歩くことにする。ひなびた風情がとてもいい。
シェア型書店、うつわや雑貨を置いているお店、カフェ、と順番に訪ねた。静かな店内で丁寧に淹れていただいたドリップコーヒーが美味しくて、ほとんど言葉も交わさずにぼーっと過ごす。
1時間半くらいの滞在だったけど、良い時間を過ごさせていただいた。いつか車で海にも行って、牡蠣も食べよう。
閉店間際のうどん
昨日のうなぎに続き、タモリさんの行きつけといえば…でもうひとつ、気になっていたお店があった。『うどん平』さん。
常に混んでいるようだし、何より営業時間が11時〜15時(ラストオーダーは14:45)と限られている。行けたら行きたいね…ぐらいのテンションで話していたが、糸島から博多に戻るのが14:25ごろ。博多駅からお店まで15分ぐらい、これはギリ間に合うのではないか!?
博多駅に着くやいなや、歩きに歩いた。ほぼ競歩。途中で私が道を間違えたことによる時間のロスが発生し、さらに焦る。
寒いのにうっすら汗をかきながらお店に到着したのがたぶん14:44頃、間に合ったか?と思いきや私たちの目に入ったのは、入り口に「本日の営業は終了しました」の札をかけている店員さんの姿。終わった…
どう考えても無理なのだが、ダメ元で店員さんに
「もう終わりですか?」
と訊いてみる。
「ごめんなさい、もう…」
と言いかけた店員さん、私たちの顔がよほど必死だったのか(お恥ずかしい)「ちょっと待ってくださいね」と奥へ引っ込み、何かやり取りしてくださっている様子。
1分ほどして
「麺はあるんですけど、ごぼうと肉が終わっちゃったんです(注:このお店の看板メニューは「肉ごぼう」)。丸天とかわかめとか、そういうトッピングでよければ…」
と言ってくださった。女神様ですか?
ありがたく入店させていただき、3人とも丸天うどんを注文。
優しい中にもきりりとした出汁を味わったあと、うどんを啜って衝撃を受ける。
ふわっふわ…!
たしかに柔らかいのだが、いわゆる「伸びた」ときの頼りないぶわぶわ感とはまったく違う。唇にふわふわと触れ、喉をちゅるんと通り抜け、気づいたときにはもうお腹におさまっている、という感じ。
しばらく無言でうどんを食べ、あっという間に3人揃って「ごちそうさまでした…」と手を合わせていた。
本当はもう締め出されてもおかしくなかったのに、優しい店員さんのおかげで食べることができて感謝の一言。ありがとうございました!!!次回は肉ごぼうを食べにきます。
地下街〜ワインバル〜新幹線
うどんの余韻でふわふわしながら、また博多駅へ。帰りの新幹線まであと3時間ほど、お土産を買って軽く飲みたいね〜、という感じ。
阪急やその周辺の地下街をぶらぶら歩き、思いつくままに明太子やお菓子を買う。
先述のとおりこの週末はPayPayドームでSUPER EIGHTのライブをしていたようなのだが、地下街のいろんなお店で「EIGHTERさんようこそ!」というポップとともにメンカラの商品が並べられており、福岡のただならぬホスピタリティを感じた。
お腹いっぱいでも飲めるところを探そうと、駅に隣接するKITTEの地下へ行ってみる。
適当に入ったワインバルで、ウフマヨとオリーブをつまみながら辛口のランブルスコを飲んだ。旅の締めくくりにふさわしい華やかさと軽やかさ。
駅構内でさらにお土産を買い、パンパンの荷物を抱えて新幹線へ。
車中ではやっぱり缶ビール!
右下にあるのは、会社の先輩にお勧めされた『伊都きんぐ』の「どらきんぐ生」。もちもちした皮の中に、あまおうクリーム、あんこ、そしてあまおう苺がまるまる1個入っている(この「生」は11月下旬〜5月までの販売だそう)。とんでもなく美味しくて、一瞬でぺろり。
ビールも飲み終わったところで、気持ちよく寝る。みずほの座席、とても快適…。行きはのぞみの3人並び席でキャッキャして、帰りはみずほでゆったり寝るの、我ながら良いチョイスだったな。
買ってきたもの
新大阪で解散して家に帰り、冷蔵庫にしまう前に買ってきたものを並べました。
右上のうまかっちゃんはBさんリクエスト。九州以外の地域ではあんまり売ってないらしい。
ほとんど見えないけど、左にある白い長方形は『MARIE』のシフォンケーキ。たまたま博多駅で見かけ、ぼる塾田辺さんが何かでお勧めされていたのを思い出して買ってみたのだが、本当に美味しい…!お布団みたいにふわふわで滑らかで、溶けるみたいになくなった。
中央にある、箱入りの糸島ドレッシングも田辺さんのお勧め。試食させてもらったらあまりに美味しくてどれかひとつに絞れず、小さいサイズ3本入りを買ってしまった。タモリさんと田辺さんに支えられた旅でした。
こんなに食べたのにまだまだ食べ足りない福岡。また行くぞ!