佐久穂町の昔の集落の暮らし 羽黒下① ~羽黒下サロンの取り組み~
小海線、羽黒下駅。駅すぐ近くにある林業を営む『株式会社吉本』から漂う木のいい香りが、鼻をくすぐります。駅を中心とした羽黒下地区は、この地の歴史と深く関わる『株式会社吉本』をはじめ、たくさんの商店が立ち並び、東町と合わせて華やかな雰囲気のまちだったといいます。ここに来れば何でも揃う、と当時は言われていたほど、様々な種類のお店がありました。今はもう閉まっているお店でも、残っている看板からは当時の面影が感じ取れます。子どもたちがたくさんいた当時の様子はどんな雰囲気だったのでしょうか。羽黒下公民館で行われているサロンにお邪魔して、お話を伺ってきました。
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まずは、羽黒下サロンってどんなところ?サロンのご紹介です。
<羽黒下サロン主催 三石芳子さん/真田和代さん>
羽黒下公民館で、月に一度行われている羽黒下サロン。3年前に、三石さんと真田さんを中心にスタートした取り組みです。当時、食生活改善推進委員を務めていた三石さんは、各家庭を回り味噌汁の塩分チェックをしていました。その活動を通じて、地域で集まる場所があればみんなで楽しく過ごせるのではないかと思い、民生委員をしていた真田さんに声をかけ、羽黒下サロンが生まれたといいます。
「みんなが来てくれれば、味噌汁をチェックしに回らなくていいしね。」と、冗談交じりに笑う三石さん。羽黒下駅前にあった旅館、『羽黒館』でも料理を振舞っていた彼女を中心に、地域の有志の皆さんが厨房に立ちます。集まっておしゃべりするだけでなく、地元の野菜たっぷりの料理を参加者みんなで囲むのが、このサロンならではの風景です。この日は小鮒の甘露煮も登場。昔ながらの地域の味に皆さんの会話も弾みます。
サロンでは体に優しいご飯を食べるだけでなく、歌を歌ったり、踊りを踊ったりと、いろいろなワークを取り入れています。音楽に合わせて歌を歌えば、気持ちも朗らかに。笑いが絶えないサロンは、そこにいるだけで明るい気持ちになるほどです。
コロナ渦でも、安全に配慮しながら、できるだけ顔を見る機会を絶やさないように活動を続けてきました。行政に頼り切るのではなく、地域から生まれるこのような取り組みは、まさに支え合い。皆さんも、それを誇りに思っています。ちなみにサロンとは別に、月二回、カラオケ大会も行っているとのこと。みなさん、本当にエネルギッシュです!
さて、そんなエネルギッシュな皆さんから、昔の羽黒下の景色やくらしの様子をたくさん伺いました。
羽黒下②の記事では、当時の様子のインタビューをお伝えします。どうぞご覧ください。
文 櫻井麻美
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