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性についてあまりにもいびつな社会

男が、低用量ピルを譲る名目で女子中学生に接近し、暴行するという事件が起きた。病院に行くことの敷居が高い中学生を狙った、非常に姑息な犯罪だ。


低用量ピルもそうだが、モーニングアフターピルの薬局での販売は、ここ数年多くの署名などによって推進されてきたものの、日本産婦人科医会副会長の反対意見などもあり、依然認可されていない。

副会長の前田氏いわく、

「日本では若い女性に対する性教育というんでしょうか、特に避妊とか緊急避妊も含めてちゃんと教育してあげられる場があまりにも少ない
「緊急避妊薬が容易に手に入りすぎてしまうというのは、じゃあ次も緊急避妊をすればいいやという安易な考えに流れてしまうことをちょっと心配するわけですね」

つまり性教育の不充実と、濫用をおそれての発言だ。

じゃあ性教育はいったいいつ具体的に展開されるのだろうか??

それまで、女性は我慢していなければいけないのだろうか??

そうして、まごまごしている間に、現実には男が「濫用」をして、若い女性を食い物にする性犯罪が起きている。




女性には生理がある。

生理が遅れているときの行き場のない焦燥と後悔は、女性にしか分からない。

コンドームを使っていたとしても「もしかして破れた?」「漏れた?」

コンドームを使わなかったなら「中で出た?」「だから使ってって言ったのに・・・」

セックスをしたこと自体に対する、「しなければよかった」「気をつければよかった」

セックスの相手に相談しても、「たぶん来ると思うよ」「大丈夫だよ、気にしすぎ!」と言われる。

生理が来てくれれば、ホッと安心するものの、また次の月も、その次の月も同じような出口のない焦りと不安と苦しみがある。


そういう苦しみがあまりにも女性のQOLを下げているので、そこから解放されるために、女性が主体になって法を変える必要があるのだ。

その討論の場には当然、女性が多数でなければならないし、産婦人科の偉い先生だろうと、男性には分からないことを勝手に決めてくれるなということだ。



性についてあまりにもいびつな社会。

性教育を受ける機会がなく、セックスは悪いものか、恥ずかしいものである。

男女の生理構造について具体的実際的に学ぶ機会がなく、大人になってもお互いの性が分からない

権力の上位を男性が占めるため、「女性主体の避妊」という国際的に当たり前なことが果たされない


男性の性の快楽の享受は、ポルノや風俗産業が盛んなことからわかるように、社会に受け入れられている

男性が犯す性犯罪の量刑は欧米先進国と比較して軽く、たとえば犯罪者登録やGPSによる管理などがない。加害者の人権を尊ぶあまり、被害者の権利を軽視してきた歴史がある。

(言うまでもなく、性犯罪を犯さない男性が圧倒的多数であることは分かります!念のため)


しかし女性が主体になった性は、家父長主義によって押さえつけられている。女性が語ることや、声を上げることすら封じ込めるほどに。

それなのに、性が生殖につながるとき、それが望む生殖であろうと、望まない生殖であろうと、女性に責任が重くのしかかる


妊娠した女子学生ばかりが非難される社会。

仕事で産休・育休をとるのが後ろめたい社会。

母親が主体になって子育てをしないと「変」だと思われる社会。

離婚した場合、多くは母親が単独親権をとり、8割もの父親が養育費を払わないで、それが黙認されている社会。


これってとても大きな問題だ。「ただのセックスの問題」にとどまらず、少子化の加速を止められない日本社会全体の根本的な問題だと思う。




避妊の選択肢を広げ、女性とすべての人の福祉を実現するために活動している、「なんでないのプロジェクト」の福田和子さん↓

要は「性なんていうタブーを話すんだから、性暴力や中絶、性産業への関与など、性に関して何かしら経験をしているはずだ」言い換えれば、「何か相当な経験がなければわざわざ性に関することなんて話さないだろう」「“普通”は性に関して深く知ったり考えたり発信したりなんてしないはずだ」という考えが、無意識の中に刷り込まれているのではないかと思う。
だから私が、ひと通り活動のきっかけを話してもなお「なにかもっとあるのでは?」と質問を浴びせされ続けると、居心地が悪くなると同時に、これこそ変わって欲しいところだなあとつくづく感じてしまうのだ


私もこうやってnoteに書いているように、声を上げる女性の一人で、福田さんの感じられているようなモヤモヤを経験したことがある。

女が性のことを語ること自体へのタブー視が強く、性のことを語る女は「意識の高い、うざったい、特殊な女」という目で見られることもある。

男性からは「セックスについて話せる=処女じゃないからヤリマンだ、ビッチだ」というふうに、

同性からは「そういう話はしないほうがいいんじゃ、、」と自粛を促すように。


でも、

セックスをする/しないということ、

子どもを持つ/持たないということ、

そしてそれについて語ること/語らないこと、

すべては当人の自由であって、誰にもとやかく言われる筋合いはない。

「権利の拡大」というと堅苦しく聞こえるけれども、

ようするに、自分と相手の健康を大切にするということ、お互いハッピーでいましょうねというシンプルなことなのだ。




低用量ピルも、時間の問題でいずれは薬局で買えるようになるだろう。それまでは、月3,000円前後の自己負担で低用量ピルを服用するしかない。コンドームも併用する、二重の防御をしたほうがより効果が高い。

スマルナでは、病院に行かずにピルを買えるので非常におすすめ。


モーニングアフターピルは、セックスのあと72時間以内に飲むことが推奨されているので、スマルナだと遅くなってしまうかもしれない。近くの婦人科をチェックしておくのが役に立つ。



私は低用量ピルを約5年服用してきて、今はやめている。オランダでは他の避妊方法を試してみたい。




















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