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ものづくりは挑み、続けること。

アサヒビールのノンアルビール アサヒゼロの開発の記事。これぞものづくり。

ビアリーの脱アルコール装置を提供するメーカーからは当初、この設備では0.00%はできないと言われていた。1回脱アルしたビールは液体の特性も変わる。設備の条件を一から見直し、これまで培ってきたノンアルテイスト飲料の知見も生かして0.00%を実現したという。開発には約5年かかっていた。

9月18日日経MJ

ものづくりは、こうあるべきだということがすべて詰まった記事だと思う。
設備メーカーどおりの使い方をしていれば、同業との違いを出せない。違いがないなら、安くできるところに依頼する。

単純に考えれば、小さい事業所は単純に受注が減る。受注しても、受注単価は低くなりがち。管理会計で言えば、貢献利益が少なくなる。

例えば、売上高が10,000円あったとして、固定費が3,000円かかったとする。同じ売上高が10,000円でも、通常単価100円の商品を20%下げた単価80円で販売すると利益は、750円になってしまう。単価を下げると販売数も増やさなければならないうえに、利益も少ない。苦労の多いわりに実入りは少なくなってしまう。

単価100個販売したときの利益は、2,000円
単価を20%下げた場合の利益は、定価販売の大幅減の750円

受注額を下げないようにするためには、同業他社と違うところを見せる必要がある。そのために、より設備を使いこなすのも1つの方法。アサヒビールさんも脱アルコールの設備を新しい設備にしたわけではない。

設備を使いこなすだけではなく、今までのノウハウを土台に一から設備条件を見直している。新しい発想ではなく、自分の知っていることプラスαで、新しい商品を作り出している。

今の事業がダメだから、まったく新しい事業をする。ではなく、あくまでも本業をもとにした新しい商品。そのほうが成功率は高い。

成果が出るまで、時間がかかる。ものづくりは、一長一短ではできない。じり貧になる前から、危機を想定して、将来に向かって布石を打つ。投機ではなく、投資。一か八かではなく、しっかりと準備した投資。最後は運かもしれないが、引き寄せるための準備、巡ってきた時のための準備。

これは、大企業だからチャレンジしやすかった面はあるかもしれないけど、小さい会社だから、資金がないから、設備がないからできないではない。ハードルは決して低いものではないが、飛べる工夫を考える発想とそれよりも大事な行動力。

劣等感を抱くこと自体は不健全ではない。
劣等感をどう扱うかが問われているのだ。

アルフレッド・アドラー陣営に革命が起きる100の言葉

アドラーは、「劣等性」、「劣等感」、「劣等コンプレックス」の3つを明確に区別している。
「劣等性」とは、具体的な事実。会社が小さい。資金がないといった感じ。
「劣等感」とは、自分が劣っていると主観的の思うこと。劣等性があっても、劣っていると思わなければ劣等感はない。自分が持つ劣等性に対して、劣っていると思うことが劣等感。
「劣等コンプレックス」とは、劣等感を言い訳にして、課題から逃げ出すこと。
この本でも、不健全なのは、「劣等性」でもなく、「劣等感」でもなく、「劣等コンプレックス」を持つことと書いている。
不健全は、病的、荒むと言い変えることもできる。劣等コンプレックスは、会社を病気にする原因の1つと言えるかも?
現状を言い訳にしない「なにくそ!」という熱血的な昭和臭い考えがいるのかもしれませんね。

やっぱり、ものづくりは挑戦かつ継続が必要なのでしょう。攻撃は最大の防御。そういう会社に補助金がいきわたりますように。




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