Encraft #14 イベントレポート: エンジニアのイネーブルメントを支える技術発信文化の作り方
2024年5月28日、オンラインで開催された「技術発信文化の作り方 - Encraft #14」に参加しました。ここでは、株式会社ナレッジワークの清土伸康さんによるセッションNo3「エンジニアのイネーブルメントを支える技術発信文化の作り方」のイベントレポートを書きます。
セッション概要
登壇者: 清土 伸康 / 株式会社ナレッジワーク
経歴: 株式会社ナレッジワークに2023年11月に入社。エンジニアリングマネージャーとして従事する一方で技術広報にも挑戦し始めています。
内容: ナレッジワークのイネーブルメントグループでは、「持続的に『できる喜び』を感じられるエンジニア組織を作り、社会へ還元する」というミッションの下、社内勉強会・Encraft(社外向け勉強会)を開催しています。スタートアップの限られたリソースで専任の技術広報がいない中、イベントの効果測定や再現性の実現など試行錯誤した経験をお話。
セッションのポイント
1. ナレッジワークのミッション
ナレッジワークのイネーブルメントグループのミッションは、「持続的に『できる喜び』を感じられるエンジニア組織を作り、社会へ還元する」というものです。このミッションのもと、社内外向けの勉強会やイベントを開催・運営している。
2. 「なぜ」をちゃんと説明する
技術発信文化を根付かせるためには、エンジニアに「なぜ技術発信が重要なのか」を理解してもらうことが重要です。清土さんは、技術発信が個人の成長や会社のブランディング、業界への貢献につながることを具体的に説明しています。このように、技術発信の意義を明確にすることで、エンジニアのモチベーションを高めることができるとのこと。
組織として技術発信を行う理由は以下の3つ:
技術を介したプロダクトの認知向上: 社員が積極的に技術発信を行うことで、会社の技術力や先進性が外部に伝わり、企業ブランディングに貢献します。これにより、採用マーケットに対する認知向上が期待される。
個人の技術力の向上:技術発信を通じて自身の知識やスキルを整理し、他者に伝えることで、自己成長を促進します。自己成長だけでなく、個人のリファラルネットワークの強化になっている。
社会への技術知見の還元義務: 技術発信を通じて、業界全体の知識共有と技術の進化に還元を義務化しています。この効果は個人のイネーブル面とによる全体技術力向上が期待される。
3. 仕組みを作り、改善を重ねる
技術発信文化を定着させるためには、効果的な仕組み作りとその継続的な改善が必要です。ナレッジワークでは、技術発信を促進するための仕組みを導入し、PDCAサイクルを回すことで、常に改善を重ねています。これにより、エンジニアが技術発信をしやすい環境を整えられている。
具体的な取り組みの一例として、ナレッジワークでは「技術イベントハンドブック」を作成し、社内で共有しています。このハンドブックには、イベントの企画から運営、効果測定までのプロセスが詳細に記載されており、初めて技術発信に取り組むエンジニアでもスムーズに進められるようになっています。ハンドブックの内容には以下の項目が含まれていた:
企画の流れ:目的・役割・スタイルの明確化し、目標・対象等のタスクを詳細化し、課題の発見対策の立案を進めている。
イネーブリングポイントの設定: 参加者と主催者のペルソナを定義、それぞれ参加前と参加後のイネールメントポイントを検討している。
参加人数を予測する: イベントのターゲットがいる母集団を予測(把握)し、アプローチする人数を考え、目標人数を決める。
その他にもナレッジワークではイベント後に振り返り会を徹底して技術発信文化の定着を図り、エンジニアが積極的に技術発信に取り組む環境を整えている。
感想
清土さんの発表から、ナレッジワークの技術発信文化の作り方と、その具体的な取り組みがよく分かりました。限られたリソースの中で、安定的且つ効果的な技術発信を実現するための工夫は、他社の参考になる内容でした。