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LGBTQ+が「自分ごと」として感じやすくなったはなし

LGBTQの話を考えるにあたって、自分はどこかで当事者ではない、という感覚で無意識にわけてしまう部分が今まで多かったように思う。わからない、 知識がないというモヤが自分の前に広がっているように感じて。

でも、今回「性をテーマとした語りと即興の実践」の企画を通し、人と話したり考えることで、私はやっと今までより自分事として捉えることができるようになってきたと感じている。

ちなみに、「LGBTQ+に関して「自分ごと」として考えられるよう」 わかりやすく説明してくれている一冊が『マンガでわかるLGBTQ+』

可愛らしいイラストや理解しやすい言葉で丁寧に描かれているので 親しみを感じやすくさくさく読みやすい。

「性をテーマとした語りと即興の実践」のチラシ(詳細が載っている裏面)↓

今回出演者として参加する企画


「桜は男の子になりたいわけではないんだよね?」
昔たしか、母にそう聞かれた。その時の私は別になりたいて思ってるわけじゃ、というように答えたと思う。「性自認」は女性だし、今もそう思う、

性自認(ジェンダーアイデンティティ)とは、

「 自分の性をどう認識しているか」

著:パレットーク マンガ:ケイカ『マンガでわかるLGBTQ+』


私は女の子扱いされることは嫌だったりするときもあったり、友人と恋愛等に関する価値観が合わない、とかそれだけで。スカートとかワンピースも好きだし。

でも、女に生まれた意味を見出せない自分も確かに存在している。自分は、※シスジェンダーなのに、それをはっきりと認識してからも、なぜか胸のモヤはとれなかった。

※シスジェンダー 生まれたときに割り当てられた性別と性自認が一致している人

著:パレットーク マンガ:ケイカ『マンガでわかるLGBTQ+』

性自認も、性的指向もマジョリティ(と勝手に思っていた)なのに、自分の性にどこか苦しいように思えてしまう私って何なんだろう、と悩んでいた部分があったのは否めない。そして、その気持ちを軽くできる自分にとっての答えに先日行き当たった。その話も今回はしたいと思う。

また、先ほど触れた性的指向とは、 簡潔に言うと「 誰を好きになるか」。 さらに詳しく述べると、

その人の恋愛感情や性的関心が、 どの性別を対象にしているか。 そもそも、性的感情や恋愛感情を持つ/持たないも含む

著:パレットーク マンガ:ケイカ『マンガでわかるLGBTQ+』


今回の「語りと即興」の企画、 稽古や勉強会などを通して学ぶ中で、初めて知る言葉がいっぱいあった。整理したい思いもあり、 改めて自分のために今回振り返り、まとめている(ので読みづらかったらごめんなさい)。。

ただ大事、というか、このnoteで伝えたいのは用語一つ一つではなく、私自身がセクシャリティについて何を感じたり考えてきたのかという話なので、 拙いなりにも私自身のパーソナルなことも下記で少し触れたいと思う。聞いてもらえたら嬉しい。

自分で思う以上に深く傷ついている場面も今まであったことに気づいたのは、つい最近のことだ。
「見えない性的指向 アセクシュアルのすべてーー誰にも性的魅力を感じない私たちについて」 という本を読んでいたときのこと。


「自分のことだ、と思った。 初めて(セクシュアリティに関する本を読んでいて)なんだか泣きそうになった」
「語りと即興」 の稽古において、 その時感じた、 自覚した感情についてはじめて話した。この座組に安心感があったから語ることは苦じゃなかったし、 みんなが聴いてくれていて嬉しかった。

ここでアセクシュアルについても定義を書いておく必要があると気づいたので、上記の本から引用する。

性的指向の一つで、(中略)、通常は、他者に性的に惹かれないことを指しますが、「性行為や性的魅力をそれほど重要視しないこと」と定義する場合もあります。

「見えない性的指向 アセクシュアルのすべてーー誰にも性的魅力を感じない私たちについて」


今ままでも正直 そうかもしれない、と思うことはあった。ただ同時に、今のところ異性が恋愛対象になりうるという自覚があり、好きな人とのスキンシップは好きだし、 自信を持って「アセクシュアル」だと言えなかった。
でも、自分はそういう体験を強くしたいと思わなかったのも事実で、それは誰に何を言われても、変わらなかった。
私はアセクシュアルだ、と経験がないのにわかるのかと否定されたり、そのうち出会えばわかるよ、という風に言われることは、自分にとって苦しいことだったんだな、とこの本を読んで思い。筆者も他者から似ていることを言われていたことなどを知って共感したことでやっと気づいた。

「なぜわざわざ自分をラベリングしようとするの?」と言われたこともある。 その時は言語化できなかったけど、自分にとってその答えの一部になることがこの本には書いてあった。

ラベルは人を説明するために選ぶもので、 問題を話し合ったり、同じような人を見つけたり、体験を理解したりするのに役立つものです。(中略) 性的指向が流動的な人もいます。ですから、自分はアセクシュアルだといって、あとで間違いだったと後悔したらどうしようと恐れる必要はありません。もしあとでそうでないと思ったら、アセクシュアルというラベルを捨てればいいのです。

「見えない性的指向 アセクシュアルのすべてーー誰にも性的魅力を感じない私たちについて」

定義は一つではないし、 もしこの先違うと思ったとしても問題はなく、今現在私は、 自分がアセクシュアルだと思っていいんだ、とこの本を読んで気持ちが軽くなって、救われたように感じた。
そう思えたこと、そして自認したことで座組の皆に自分の性質や感覚を共有できたこと。 良かったと思ったし、未知のままでは、 1人で何から学び始めればいいかわからない状態のままでは、この地点にたどり着けなかっただろうなと改めて思った。
勉強会に参加することも、本を読むことも、性をテーマとした企画に携わることが大きなきっかけの1つだったから、やっぱりこの機会は自分にとって、人生の大切な一部となっているような、そんなふうに思う。

それから、LGBTQ+の「+」は、「LGBTに含まれないさまざまなセクシャアリティ」(パンセクシャルやアセクシャルなど) ということを知って、 より身近になった感覚がして嬉しかった。

書きたい事は、あふれたりまとまらなかったりするけれど、 既に結構ボリューミーな文章になっていると思うので、今回はこのあたりで。

長文をここまで読んでくださった方に感謝。(ここわかりづらいとか、ここをもっと知りたい等があったらコメントで教えていただけると幸いです)

「語りと即興」の詳細も一番最後に載せているので、興味ある方はぜひご覧いただけるとうれしいです。


余談だけど、 このnoteで触れている2冊の本を読もうと思ったきっかけについて。LGBTQ勉強会に参加した時おすすめされていた書籍たち。
「語りと即興」の企画とはまた別の機会だったけれど、今回性をテーマとした企画に向き合う上で、自分の助けになる会だった。

LGBTQ勉強会に参加する上で考えたことを書いたnoteはこちら





公演詳細

『性をテーマとした語りと即興の実践』

テーマについて語り、時に即興表現を試行することで、考えを深めたり視野を広げることができる場を目指しています。
語りのパートについては、出演者・お客様ともに語ることができます。(人数の都合上、希望者全員が語れるとは限りません。)また、語りたい人が挙手する形ですので、自分は語りたくはないが人の話を聞きたいという方もぜひお越しください。

●日時
10月7日(土) 14時・18時
各回約90分
※開場は開演の20分前になります。

●場所
高円寺K’sスタジオ本館
東京都杉並区梅里1-22-22パラシオン高円寺B1-100号
丸の内線東高円寺駅より徒歩5分
※新館ではないのでご注意ください。

●出演者
daira
海原優騎
佐竹謙伸
石巻遥菜
ゆうり(獣の行進)
福本桜

●場づくりのサポート
よしこ

●音響・照明・受付
会原実希

●宣伝美術
森口大和

●料金
2500円

●共有事項
・いわゆるエンタメ性をあまり重視していません。性について語ったり聞いたり、考えを深めることができる場を目指しています。
・性に関する表現が即興でなされる可能性もあります。
・お話いただく際、特定の性別や性のあり方・人種・障がい・職業などを否定する発言もしくは場の安全性を脅かすと企画側が判断するような発言・行動をなされた場合は、注意をさせていただくか、退場いただく可能性があります。その場合の返金は致しかねます。
・参加する皆さまが安心して語ったり聞いたりできる場を目指しておりますが、意図せず不安にさせてしまう発言や表現が場に出てしまう可能性もあります。もしつらいと感じられた際は、許可を得ずとも途中退出していただけます。ご自身に無理のない形でご参加いただけますと幸いです。

●予約

●お問い合わせ
narrative.improvisation@gmail.com

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桜
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