ドリンクバーが苦手な理由(本態性振戦)
あなたはドリンクバーでグラスに注いだジュースを自分のテーブルまでこぼさずに運べますか。
たいていの人は「もちろん。」と言うでしょう。
でも、「いいえ。手が震えて上手く運べません。」と答える人がいれば
本態性振戦という病気かもしれません。
これからこの病気についてお話しするので、
自分に当てはまる点が無いか考えながら読んでみてください。
さっき、「もちろん」と答えた人も
身近にこの病気で苦しんでいる人が居るかもしれません。
知らず知らずのうちに身近な人を傷つけないためにも、ぜひ読んでみてください。
本態性振戦とは
ある一定の動作・姿勢をとった時に手指や首、声が震える病気です。
震えの原因はわかっていませんが、精神的な緊張により症状が酷くなることがあります。
例えば、
お箸を持つ手が震える
↓
それを人に見られていると感じると緊張する
(からかわれるのではないかという恐怖)
↓
緊張で震えが酷くなる
↓
人前で食事するのが苦痛になる
↓
人前に出るのを避けるようになる
という感じです。
震えにより字を書く時や、食事など日常生活に支障をきたします。
またその事により精神的苦痛も強いられる病なのです。
日本神経治療学会によると患者は人口の2.5〜10%いるとされています。
しかしこの病気の認知度は低く、理解されないことが多いです。
それどころか、患者本人でさえ病気であるという自覚が無いのです。
私もその1人でした。
『グラスに入った水をこぼしてしまうのは自分がドジだから。からかわれても仕方ない。』
『人前で声が震えるのは自分が臆病だから。』
と、小学生の頃から自分を責めていました。
そんな私が本態性振戦を知ったのは高校生の時です。
高校に入学した時、自分用のスマホを買ってもらいました。
スマホのおかげでインターネットが身近になり、わからないことがあればインターネットで検索する習慣がつきました。
そして、ふと思ったのです。
『ずっとコンプレックスだった“震え”についてもインターネットで検索すれば、克服する方法や治す方法がわかるかもしれない。』
と。
そして、医療機関や大学などのサイト記事を5つほど読み、本態性振戦という病気を知りました。
本態性振戦を見分ける主なポイントは以下の2つです。
・手指の他に首や頭も震える
・動作時は震えるが、安静時は震えない
私はこの2つに当てはまっていたので、数日後病院に診察を受けに行きました。
そこで自分が本態性振戦であるとわかりました。
そしてこの病気について詳しく知ることができました。
・症状は“震え”だけ
・症状が悪化することはほとんどない
・悪化しないので歩けなくなったりすることもない
ということです。
これを聞いて少し安心できました。
大学生になった今でも、“震え”は治っていません。
ドリンクバーで注いだジュースもよくこぼすので、ドリンクバーは苦手です。
でも、
【自分のせいだと思っていたことが病気によるものだったこと】
【自分だけが変なのだと思っていたことが自分だけではなかったこと】
これがわかったことで、精神的な苦痛は和らぎました。
もし、手の震えに悩んでいる人が居れば病院に行ってみてください。
一時的ではありますが薬で震えを止めることもできます。
なにより、心が楽になります。
そして身近に"よく手が震える人"が居れば、
からかうのではなく少し優しくしてあげてみてください。