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サトウ サコ
2022年5月10日 21:43
むらさき色の煙がパチパチと火花を灯した。と思えば、それは青色に淀んでゆき、とうとう黄色い星屑に落ち込んだ。 診察台に俯せになっている楠は、漢方葉巻の鳴る音に、卑しい笑い声を立てる。「大した医師だよ、先生。今時こんなに漢方魔術に手こずるプロも、中々お目に掛かれないぜ? 」「うるさい」 湖は年甲斐もなく不貞くされた。お互い、もう26だ。「もう一度やる。少し待っていろ」 彼は口に咥えていた