【詩】破考断
地図に拠って案内されていく私の人生
否定と論理の中間で翔ぶかもめの知能では
まだまだ
どこかに立て札を探しどこかに狂人の哀しみを認め
どこかに下劣な素質と行為の断片を探し求めてその道の側溝に這いつくばり
吐き散らしながらまだ
泣き喚きながらまだ
それでもまだ
あなたの示す階段の先
地の方向が変わるように斬り刻まれた皮膚の破片
どこにも視える
彼処から覗いている目玉の光が無数である限り
私の想う私の考えるその道に統率され系統だった事象はまるでなく
まるでなく
どこにも歩けないと竦み上がる胸の中に
張り裂けるほど詰まって詰まっていまやはち切れんばかりの空虚だから
何もなく何も考えずただその欠片に頼り
何も考えず何もなくその欠片に寄り添い
どこまでも歩くことで自らの地図を踏み散らし否定し
破り捨てるために
破り捨てるために
ただ生きて
そこにある
そこに生まれてしまう
そこに現出してしまう道のないどこに
かき集められてどこに
掃き捨てられてどこに
どこに
ここに
醜くみすぼらしく爛れた私の顔面を踏みつけなさい
思考を最上とし
考えて負ける世界を歩くな
浮かぶ欠片を拾い集めてそれを喰らいそれを吐き
鋭い破片で自肉を切り瞼を切り
しかし永劫の命を以て生き抜いてしかし
考えて負ける世界は歩くまい