【映画】聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団
さて、三週連続の邦画ウィークだったわけだが、おそらくこれが年内劇場での最後の映画鑑賞になると思われる本日は福田雄一監督作品。
いつもどおり、内容について深く書くつもりもないのだがそもそも、掘り下げるような内容はこの映画にはない（笑）。
どこまでもゆるく続くイエスとシッダールタの地上生活の話であって、これは地上に住む限り聖人だろうがなんだろうが、ごく当たり前の日常が続いているだけなのである。
そうはいいながらも一応映画なので、それではこの映画の見どころは？ということになると、とにかく驚愕するのはこのキャスティングである。ストーリーよりも何よりもキャスティングである。
ざっと出演者の名前を見ても、主演級の人たちばかりで、この人たちがまたノリノリでバカをやっている。
当然、おおまかなストーリーというのはあるのだけど、全体の50％くらいは役者たちのアドリブでできているんじゃないかと思える。
役者がノリノリで演じれば演じるだけ観客は呆然とすることになり、大爆笑するというタイプの映画ではないのだが、何も考えずにぼんやり観ていれば、知らぬ間に表情が緩んで、体から緊張感が抜けていくのだ。
それにしても、この映画もそれほどお金がかかっているとは思えず、おそらくは役者へのギャラで制作費の殆どを使ってしまっているのではないかと思う。
このような低予算を逆手に取ったチープな制作の仕方というのは「勇者ヨシヒコ」から綿々と続く福田映画の定番になっている。
なんだかんだ言っても、この映画には、ためになることなんか全く出てこない。
でも慌ただしい年末、肩の力を抜いて映画館でぽつんと、そして小さくニヤニヤしながら観るにはうってつけの気楽な作品になっている。
シリアスになるのが必ずしも良いとは言えない。ただ気を抜いて寝っ転がる日がたまにはあったっていいじゃないか。
大人が真剣にふざける。こんなに楽しいことはない。
来年最初の映画もまた福田雄一作品に決まりそう。