【神経心理学】覚醒と睡眠


覚醒

定義

大脳皮質や脳幹が広く興奮によって占められている状態。

メカニズム

脳幹にある網様体が脳の覚醒状態のコントロールに一番関係している。
上行性の網様体賦活系は外部の刺激の到着を検知し、脳全体をただちに広範に活性化する。
生き物として重要な刺激に対して脳を十分に覚醒状態にしておくため。

サーカディアンリズム(概日リズム)

地球上の生物がおおよそ24時間の明暗周期にその活動を同調させている生物学的リズム。体内時計とも呼ばれ、睡眠・覚醒リズムや体温、ホルモン系などの変動が含まれる。
午前中少しずつ体温が上昇し、午後2時ごろにピークに少しずつ下がり始める。個人差があり、朝型・夜型の影響も受ける。

刺激物

食べ物や飲み物が覚醒状態の調整に関係する。人はこうした刺激物の摂取により社会生活に必要な覚醒状態を維持している。
刺激:カフェインを含む飲み物、タバコ
抑制:アルコールやミルク

睡眠

定義

高い意識水準すなわち覚醒が一時的に下降し、抑制が大脳皮質や脳幹に及んでいる状態。

睡眠レベルの区別方法

脳波(electroencephalograph:EEG)の活動から区別が可能

睡眠の4つのレベル

・第一段階:最も浅い眠り
 ※REM(rapid eye movement)が発生している睡眠状態を
   逆説睡眠 or REM睡眠という
・第二段階:浅い眠り
・第三段階:深い眠り
・第四段階:最も深い眠り
 ※第三段階、第四段階のREMを伴わない睡眠を
   徐波睡眠 or ノンレム(non-REM)睡眠という

睡眠サイクル

約90分のこの周期を一晩中繰り返す。

睡眠時間が長くなるに伴いREM睡眠が多くなり、夢を見ることに関係する。
夢の内容は1日の珍しい出来事や情報が混ぜ合わさっているにすぎず、より悪い結末を準備しながら脳が出来事の別な可能性に対する反応を提供しているのではと考えられている。また、夢がもっと効率的に情報を扱えないかとリハーサルしているとも考えられている。
REM睡眠注に記憶が何らかの処理をされるらしいということは明らかにされているものの、人がなぜ夢を見るのかは、十分に解明されていない。

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