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個性と印象
「ペコリーノ・ロマーノ」は、私にとってある意味思い出深いチーズです。
ロマーノと並んでもう一つ有名なペコリーノに
「ペコリーノ・トスカーノ」というのがあります。
まだ、チーズの知識が全くなく、食べたことないチーズばかりだった1年前。チーズの勉強を始めた頃。
トスカーノに比べるとロマーノの方が塩味が強く味が濃い、という情報から、
じゃあ、まずはロマーノから食べてみよう!
と試食…
!!!!
塩の塊か!
これが一口食べた時の真っ先の感想。
でも、よくよく味わうと、塩辛さの奥に、やっぱり羊乳の甘やかさがほんのりあるんですよね。
調子にのってパクパク食べてたら、あとで喉が渇いて渇いてしかたなかった、という思い出。
その後、勤め先の同僚にこの話をしたら、
「ペコリーノロマーノはそのまま食べるチーズじゃない!あれはカルボナーラに入れるもの!料理に使うもの!」と言われ、そっか、と頭の中にインプットされたんですわ、塩辛い味とともに。
そしたら、それがチーズプロフェッショナルの一次試験に出たんですよ。
正誤問題でね、「カルボナーラは、イタリア最古のチーズの一つと言われているパルミジャーノレッジャーノで作る」と。
「ちゃうちゃう!」と、何故か関西弁で全力で否定した、という思い出。
ペコロマちゃん、ありがとう。
あなたの強烈な個性は、私を合格に近づけてくれました。
もしかしたら、あの"カルボナーラ問題"を落としていたら、1点足りなくて不合格だったかもしれない。
強烈な個性は人を救う…
それはいい過ぎやろ!
ハイ、いい過ぎですけれども、
良くも悪くも個性の強いチーズは、脳みそのシワの奥深くに刻まれますね。
人も、一緒かな?
🧀今日のチーズ
Pecorino Romano
イタリア最古のチーズのひとつ、と言われている。ローマ建国の王ロムルスが飼っていた羊のミルクで造った、という逸話もある。
塩分が濃いので保存性が高く、ローマ軍行軍の携帯食にもなったとか。
「ペコリーノ」とは、イタリア語で「羊乳製チーズ」という意味。
ペコリーノの後に地名があってチーズ名になる。例えば、Pecorino Toscano、Pecorino Sicilianoなど。DOPチーズで8つある。
Pecorino Romanoは、「ロマーノ」なのに、現在のメイン産地はサルディーニャ島。ローマの対岸にあり、フランスのコルシカ島のすぐ下にある島ですね。もちろん、ローマのあるラツィオ州でも生産されていますが。
カルボナーラを作るときによく使われるほか、「そら豆のサラダ」も有名なレシピです。