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冬ごもり 春咲く花を
冬化粧、冬紅葉、冬暁、冬苺、冬木立、冬薔薇。これだけ見ても、日本語には「冬」がついた言葉が多いことがわかります。
「冬」は、寒さに冷える「ひゆ(冷ゆ)」が転じたとされる言葉。おなじ冷えるでも、「寒」というと心の隙に食いこむ鋭さ、引き締める強さがありますが、冬は、厳しさばかりではない穏やかさ、春めいてゆくことへの期待、心の弾みが感じられる言葉です。
冬ごもり 春咲く花を 手折り持ち
千度の限り 恋ひわたるかも
柿本人麻呂
これは、冬が去って、春に咲いた花を手にして、いつまでもいつまでも、私はあなたのことを恋い慕い続けています。という恋歌。
万葉集ではこの1首のみに使われている「千度の限り」という表現。いつまでもいつまでも変わらない、ずっと待ってます、という恋人を想い続ける気持ちが、春を待つ期待にも重なって、いとも美しく響く表現です。
俳句で「冬ごもり」は冬の季語ですが、この歌にあるように、春にかかる枕詞でもあります。あと何日かすれば立春、冬について書くなら今のうち、という気持ちになり、今日はこんな歌になりました。
冬ごもり春咲く花を心待ち。今日もいちりんあなたにどうぞ。
ヒヤシンス 花言葉「淑やかな可愛らしさ」
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