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朴の花

仏教詩人 坂村真民の詩は、弱者に寄り添い勇気を与えるものが多いことから、亡き後も、老若男女をえらばず多くの人に愛され、今にも知られるところです。

彼のことばに「自分のいる場所で、一隅を照らせば、それで良いのです」というのがあり、思い出すたびに、かつてお世話になった、活け花の大先生を思い出します。

朴葉をこよなく愛した先生は、その枯葉をもまた作品に活かし、よく花展にも出品されていました。ある作品の説明の際に、同じく朴木を愛してやまなかったという坂村真民の話をしてくださり、教えて頂いたのがこの詩です。

花おのずからにして咲き
道おのずからにして開く
ああ
わが愛する
朴の木のごとく
あせらず
いそがず
この世を生きてゆかん
一つの道を貫きゆかん
守らせたまえ
導きたまえ

坂村真民「めぐりあいのふしぎ」

先生は、すでに故人となられておりますが、実はその際にいただいた朴葉を、今も残しております。

先生の朴葉


先生がお亡くなりになったあとも、この葉を眺めては、あの日先生が流された感涙を思い出し、春になれば朴の花を思い出します。今なお印象深い、ありがたい出会いでした。

花は一様の春を知るといい、花が咲くことで、ぴたりと決まる季節があります。朴の花は4月の頃です。

早春の黄色、蘭春のピンクが過ぎたら、今年も空にとっぷりと、美しい白花が見える季節になるでしょう。思うだけで楽しみです。

今日もいちりんあなたにどうぞ。

ホウノハナ 花言葉「誠意ある友情」

花おのずからにして咲く


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