だらだらと要領を得ぬ糸瓜哉 尾崎放哉
へちま。子どもの頃はよく見たけれど、最近目にするのはもっぱらゴーヤで、そういえば昔見たヘチマは、どこへいっただろう、とみるたび思う。
あのぶらんぶらんと垂れ下がるのが、むかし実家の庭にあって、そういえば大した大きさではなかったけれど、ヒョウタンもあった。
夏が過ぎたころ、横口から庭に出ると、こっちにヒョウタン、あっちにヘチマ、あっちもこっちもぶらんぶらんして、邪魔だなあといつも思っていた。
母も同意で、たいして食べれもしないのにまた植えて、と呆れていた。草を刈るのも水をやるのも母だから、父だけが、今夏の収穫量に満悦だった。頭上にいた邪魔ものを、足下に並べながら喜んだ。これがタワシになるんだぞ、得意げだった。
ある日、風呂場に家族ひとりずつのタワシが置いてあるのを見て、父がいだく作物への愛着より、母への同情がひろがった。そしてやっぱり、ヘチマって邪魔だなと思った。
そんなヘチマの思い出です。笑
今日もいちりんあなたにどうぞ。
ヘチマ 花言葉「悠々自適」
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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
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