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お庭の話

大地を美しくするために、
人間の用心深い心を元気づけるために、
神は花を作った。
そして一茎の花から知恵を集め、
いつも快い感謝を忘れないものが、
最も幸福である。

ウィリアム・ワーズワス

その昔、「イングリッシュガーデン」と聞いて目にしたときに、「このボーボーに生えた手入れの無い草木の、いったいどこ がイングリッシュなのだろう?」との、子供のような疑問を抱いたことがありました。その無造作に映った庭園が、「計画的な混乱」と定義される「インフォーマルガーデン(風景式庭園)」「ランドスケープガーデン」だと知ったのは、ずっとあとのことです。

「インフォーマルガーデン(風景式庭園)」とは、長い年月をかけ自然に溶け込んでいくように、変化の過程も計算された庭園のことをいいます。 この作庭方法がとられるようになったのは18世紀以降で、それより以前の17世紀の庭は、「フォーマルガーデン(整形式庭園)」と呼ばれます。

その当時、フランス貴族の間では、宮殿の中に、古代建築や風景を描いた絵画を飾る事が流行しました。しかし古典的な絵画を壁に飾るだけでは飽き足らなくなった人々は、現実風景をそのまま窓の外に形成したいと考えるようになります。

そのような発想から、庭にも絵画を描くように、幾何学的な図形を主として作庭したのが、フランス式ともいわれる「フォーマルガーデン(整形式庭園)」です。その特徴は、絵画を模した平面的な構成で、一様に低めの草花で色を埋め込むように形成されています。

この庭園形式は、その後イギリスの庭園にも取り入れられました。しかし19世紀以降になると、この人工的な作庭法に対するアンチテーゼから、自然の風景さながらの、高低や遠近感ある植栽、自生植物による作庭が浸透しはじめます。これが「インフォーマルガーデン(風景式庭園)」と呼ばれるもので、今に知られるイングリッシュガーデンのはじまりです。

イングリッシュガーデンは、人と自然が共生することを喜び、自生のリズムに逆らわず、ゆっくり時間をかけて育てていく庭。その土地の気候風土に合った植物たちを、四季折々に楽しむことができる庭です。

日本にも、いろんなスタイルのお庭がありますね。立派なお庭に限らず、植物の景色が多いのは、日本が誇れる魅力のひとつと思います。

フランス式もよし、英国風もよし、枯山水もよし。お庭、今年はもっと楽しみたいな、と思いました。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ムスカリ 花言葉「通じ合う心」

大地を美しくするために


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