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花屋の向こう側

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花屋をはじめて20年余り。日々、こんなものだろうと思ってしてきた仕事も、あらためて振り返ってみると「あたりまえ」ではないことに気づかされることが多くなりました。技術的なことはさて…
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記事一覧

「知る喜び」花屋の向こう側

唐突ですが、実は昨秋に大学生になりまして、通信大学の教養学部に所属し「心理学」を学んでい…

「謙虚な心と思いやり」花屋の向こう側

あるとき虎が狐をつかまえました。すると狐は「自分は天帝から遣わされ、すべての動物の長にな…

「在りかた」花屋の向こう側

以前、同じ通販で稼業をしている友人と会ったときに「どうして花屋をしているの?」と聞かれた…

子どもと「つながり」花屋の向こう側

先月のこと、スタッフから「クラス替えがあった後の息子の様子が不安定なので様子を見たい」と…

「子どものミカタ」花屋の向こう側

先日、とある父子が花屋に来て、お母さんにプレゼントにする花が欲しいというので、一緒にいた…

「躑躅に思う」花屋の向こう側

ほんとうに今年は季節がぱたぱたと進んでしまい、いま東京の景色には、躑躅(ツツジ)の花が満…

「花屋と子どもたち」花屋の向こう側

先日のこと、店の奥で仕事をしていると、聞き覚えのある声が、花屋を覗いている事に気づきました。出ていくと久しぶりの友人が、近くまで来たからと、春休み中のお嬢さんと立ち寄ってくれたのでした。 とても嬉しくしばらく立ち話をし、これからどこへ行くのか尋ねると、娘の所望で、手芸屋さんへいくとのこと。せっかくならと、思い当たる近くの手芸店を知らせて、またねと送り出しました。色とりどりの生地、道具、彼女が見たら、どれほど目を輝かせてくれるかしらと、期待を膨らませながら。 きけば、いま暮

「梅にうぐいす」花屋の向こう側

北大路魯山人の随筆に『梅にうぐいす』があります。 ある日のこと、魯山人に教示を受けようと…

「ダメな子」「悪い子」なんて、ひとりだっていない。

以前のこと、学校帰り花屋に立ち寄ってくれた小学生に、仕事中に折ってしまった使えぬ花を一つ…

「謙虚とバランス」花屋の向こう側

「自分がされたいことを他人にもしなさい」はイエスの言葉。 「自分がされたくないことは他人…

「教えるの語源は「愛しむ」」花屋の向こう側

数ある松陰先生の言葉の中でも、とりわけ好きな言葉です。 ここでは、愛惜しむ心を持ち続ける…

「わかる。ということ」花屋の向こう側

近年は、遠くに離れた場所のことでも瞬時に情報共有できるので、目や耳で得た情報だけで、人の…

「ひきだしの花」花屋の向こう側

昔、ある先生のアシスタントをしていた頃がありました。することは、先生のお世話、だんどり、…

花屋の向こう側

花屋をはじめて20年余り。オンラインで22年、オフラインで10年。 それはもういろんな出来事がありましたが、日々、こんなものだろうと思って続けている仕事も、あらためて振り返ってみると、それは世間一般においての「あたりまえ」ではないと、気づかされることが多くなりました。「それ、当たり前じゃないよ?」と言われるからです。 あまり疑問も持たず、「そういうものだろう」と考えて、選択してきた積み重ねにすぎないのですが、それを話すと「いやほかとは違う」と言われてしまう。その違いはどこ