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対談(13,397文字): 『アンラーニング思考 〜ゲームマスターのいない世界でぼくらが生き抜く方法〜 』著者 山崎泰央 × 対談YouTuber魁太郎(さきがけ たろう)

魁太郎: みなさん、こんにちは。今日も素晴らしいゲストをお迎えしています!話題の書籍『アンラーニング思考 〜ゲームマスターのいない世界でぼくらが生き抜く方法〜 』の著者、山崎泰央さんです。この本は、なんとあの神田昌典さんも推薦しているということで、大変注目されています。山崎さん、今日はよろしくお願いします!

山崎泰央: よろしくお願いします!今日は楽しみにしてきました。


「アンラーニング思考」は今の時代、なぜ大事なのか?

魁太郎: まずは、『アンラーニング思考』の基本的な考え方から教えていただけますか?タイトルだけ見ると、「学んだことを忘れろ!?どういう意味!?」とちょっと戸惑いますね。

山崎泰央: そうですよね(笑)。確かにタイトルだけ見ると「忘れる」という印象を受けますが、実際にはただ単に忘れるわけではありません。アンラーニングとは、過去に学んだことや経験を一旦リセットして、新しい状況に合わせて柔軟に考え直すプロセスのことを指します。

魁太郎: なるほど。つまり、学んだことを全て無かったことにするのではなく、新しい状況に対応するために必要な部分だけを使っていくという感じですか?

山崎泰央: そうです。アンラーニングは特に変化が激しい現代において重要な思考プロセスだと思います。過去の成功や知識に固執していると、変化に対応できなくなってしまうことがありますよね。例えば、私が過去に経験した東日本大震災の復興ボランティアの活動でも、従来のやり方や考え方では対応できない問題が多々ありました。そういったときに、アンラーニングの重要性を強く感じました。

魁太郎: 復興ボランティアの現場でそんなことが起きていたんですね。震災復興という大きな課題に取り組む上でも、既存の方法にこだわらない柔軟な思考が求められるというのは理解できます。新しい問題には新しい解決策が必要ですよね。

山崎泰央: その通りです。特に災害時は予測できないことが多く、従来のマニュアルや計画が通用しないことが多いです。ですから、現場では「一旦、今までのやり方を忘れて、その場の状況に合わせて対応する」という柔軟性が非常に重要です。これはビジネスの現場でも同じことが言えます。

魁太郎: ビジネスでもですか?

山崎泰央: はい。ビジネスの世界でも、従来の成功法則が通用しなくなることがあります。例えば、デジタル化が進んだ現在では、過去のアナログな手法ではなかなか通用しなくなってきました。変化に対応できる企業や人だけが成功を手にしているんです。

魁太郎: なるほど。つまり、これまでの経験や知識が必ずしも未来の成功に直結しないということですね。では、山崎さんの本で言う「アンラーニング」という考え方が、どうやってその変化に対応する力を養うのか、もう少し詳しく教えてもらえますか?

山崎泰央: はい、アンラーニングは単に「忘れる」だけではなく、次のステップに進むための「準備」のようなものです。例えば、過去に学んだことが今の自分に役に立たなくなったとき、それを無理に使い続けようとするのではなく、一旦その知識やスキルを棚上げして、新しいものを学び、試してみる。その過程で、必要があればまた過去の知識を引き出して使うこともできます。

魁太郎: つまり、完全に捨てるわけではないけど、必要なときに再利用できるようにしておくということですね。

山崎泰央: その通りです。アンラーニングというのは、言わば「柔軟な思考のサイクル」を作るための手段です。人はどうしても、過去の成功体験に縛られがちです。しかし、その成功体験が新しい状況では通用しないことも多い。そうした時に、一旦リセットして新しい方法を試してみる、その柔軟性が重要なんです。

魁太郎: それは現代社会の変化に非常にマッチしていますね。特に、技術の進化がものすごく速いですから、過去のやり方に固執していると、たちまち時代遅れになってしまう。

山崎泰央: そうです。特に今は「資本主義の転換期」とも言われていて、従来の経済や社会のルールが通用しなくなりつつあります。こうした時代の変わり目には、古い考え方に縛られずに、新しい視点で物事を見ることが大切です。それを可能にするのがアンラーニング思考です。

魁太郎: 面白いですね。例えば、私たちがこれから直面するかもしれない南海トラフ巨大地震などの大規模災害に対しても、このアンラーニングの考え方が役立つ場面が多いと思いますが、どう思いますか?

山崎泰央: まさにその通りです。南海トラフ巨大地震のような大災害に備えるには、従来の防災の枠組みや考え方では不十分かもしれません。実際に震災が起きたときには、事前の計画や予測がすべて通用しない可能性もあります。そんなとき、アンラーニングの考え方を持つことで、柔軟にその場に対応し、新しい解決策を見つけることができると思います。

魁太郎: 確かに、大災害に直面したときに過去の常識にとらわれていたら、適切な対応ができないかもしれません。新しい状況に合わせて考え直す力が必要なんですね。

山崎泰央: そうです。災害時だけでなく、普段の生活や仕事でも同じです。今の時代は、技術の進化だけでなく、価値観やライフスタイルも大きく変わっています。そんな中で、私たちは常に「今までのやり方が正しいのか?」と自問し続ける必要があります。そして、必要に応じて新しい方法を取り入れることが、個人としても社会としても生き残るための鍵だと思います。

魁太郎: 確かにそうですね。私たちが今直面している変化は、スピリチュアルな側面でもよく言われています。例えば、男性性から女性性へ、夜の時代から昼の時代へ、あるいは地の時代から風の時代へと移行していると言われています。こうした時代の変わり目に、まさにアンラーニングが必要だと思います。

山崎泰央: その通りです。これまでの常識や成功法則が通用しなくなったときに、どうやって新しい考え方を取り入れるか。それができる人は、これからの時代に成功すると思います。そして、そのためにアンラーニングというプロセスが重要なんです。

魁太郎: 最後に、視聴者の皆さんに向けて、アンラーニングを実践するための具体的なアドバイスをいただけますか?

山崎泰央: まずは「自分の思考や行動を俯瞰すること」が大切です。私たちは、目の前のことに没頭しがちですが、少し距離を置いて全体を見渡すことで、今の状況に何が必要かが見えてきます。その上で、過去の経験や知識を無理に使おうとせず、新しいアイデアや方法にチャレンジしてみることです。それがアンラーニングの第一歩です。

「アンラーニング思考」は全世代に読んでもらいたい!

魁太郎: 僕が『アンラーニング思考』を読んで感じたのは、これまでの古い考え方を全部捨てて、新しいやり方に完全にシフトしようっていうメッセージかなと。実際、そういう解釈で合ってますか?

山崎泰央: うん、そうですね。そのように捉えていただけると分かりやすいかもしれません。ただし、アンラーニングというのは、必ずしも完全に古いものを「忘れる」という意味ではなく、今の時代や状況に合わせて柔軟に変えていくという考え方なんです。

魁太郎: 確かに「忘れる」という言葉は強烈ですけど、実際には何かを完全に捨て去るわけではなく、脇に置いておく感じなんですね?

山崎泰央: その通りです。実は、人間の思考って階層的なんですよ。表面上は何かを忘れたと思っていても、実際には深層にちゃんと残っています。過去の経験や知識は、その人の人格や判断の基盤となっていますので、決して消えるわけではないんです。ただ、それを意識的に使わないようにする、あるいはその時代や状況に合った新しいものを優先的に使う、という考え方なんですね。

魁太郎: なるほど。脇に置く、という感じですね。昔の考え方や知識をストレージやクラウドに預けるようなイメージで、新しいソフトウェアをインストールする感じでしょうか?

山崎泰央: そうですね。ちょうどそんなイメージです。古い知識や経験が完全に不要になるわけではなく、必要な時に取り出せるようにしておく。でも、それを常に前面に出しておくと、今の新しい状況には対応できなくなってしまう。そのため、今の状況に合った新しい考え方やスキルを使いながら、必要なときに過去の知識も活用するという柔軟なアプローチが大切です。

魁太郎: そうか、だから過去の知識を「アンインストールせよ」という言葉がちょっと刺激的に感じるのは、完全に消すのではなく、一旦脇に置いておくという意味合いなんですね。

山崎泰央: そうです。完全に忘れてしまうというのは無理がありますし、それが必要な場合もありますから。大切なのは、今の前提条件が変わっていることを認識し、その変化に適応するために、昔の前提で考えないことなんです。

魁太郎: それって、誰が一番この本を読むべきだとお考えですか?僕自身、読んでいて、「これは僕向けではないかも」と感じた部分もありました。僕は結構、新しいことに常に挑戦するタイプなので、アンラーニングという考え方は既に自分の中にある気がしたんです。

山崎泰央: それは鋭い指摘ですね。実は、この本の主なターゲットは、30代から40代の中堅サラリーマンや、キャリアチェンジを考えている人たちです。彼らは、これまでの安定した職場での経験や知識に縛られてしまい、なかなか新しい一歩を踏み出せない状況にあることが多いんです。

魁太郎: なるほど。つまり、独立起業を考えているけど、家庭があったり、経済的な不安があってなかなか行動に移せない30代40代のサラリーマン向けということですね?

山崎泰央: そうです。特に、独立や転職を迷っている人たちには、この本を読んでほしいですね。自分の持っている知識や経験を無理に使おうとせず、新しいチャレンジに適応するための思考の柔軟性を持ってもらうためのヒントがたくさん詰まっています。

魁太郎: でも、正直言って、40代後半から50代の方々、特に長年同じ業界にいる方々にも読んでもらいたいですよね。頭が硬くなってしまいがちですから。

山崎泰央: その通りです。実際、その世代の方も読んでくださっていますよ。友人にも50代の方が多いので、その年代にも響いているみたいです。

魁太郎: やっぱり、その年代の方々が一番固定観念に囚われがちですからね。そういった意味では、この本は幅広い年代に読んでもらいたいです。でも、実際にそういう人たちが読むことは少ないですよね。自己啓発書やビジネス書って、向上心のある人が読むものなので、そういった人は元々柔軟な思考を持っていることが多いですから。

山崎泰央: そうなんですよね。確かに、読むべき人が読まない、というのはよくある問題です(笑)。

魁太郎: そうそう、だから本当に読んでもらいたい人たちにどうやって届けるか、というのは永遠の課題ですよね。でも、この本は中学生でも読めるように書かれていると聞きましたが?

山崎泰央: そうですね、実際に中学生でも読めるように前半は特に優しく書いています。後半になるにつれて少しずつ内容が深くなりますが、それでも分かりやすさは意識しています。

魁太郎: 中学生でも読めるようにするのは素晴らしいですね!実際に、どんなフィードバックがあったか教えてもらえますか?

山崎泰央: ある中学生のお母さんが、この本を家に置いていたところ、息子さんが勝手に読んでハマってしまったそうです。その後、そのお母さんももう一冊購入して、親子で読んでくれました。

魁太郎: それはいい話ですね。確かに、アニメのイメージも手に取りやすいですし、若い世代にもリーチしやすいですね。

山崎泰央: そうですね。『アンラーニング思考』は未来に生きる若者たちにもぜひ読んでほしい内容です。今後の社会で生きていく上で、思考の柔軟性はますます必要になってくると思いますから。

フューチャーマッピングと全脳思考は同じ。

魁太郎: フューチャーマッピングというツールについて伺いたいんです。正直言って僕は、全脳思考という考え方はしっかり理解しているつもりですが、フューチャーマッピングとの違いがよくわかりません。どういう関係性なんでしょうか?

山崎泰央: 良い質問ですね。実は、フューチャーマッピングと全脳思考は同じものなんです。ただ、名前が変わっただけですね。

魁太郎: えっ、同じものなんですか?

山崎泰央: そうなんです。フューチャーマッピングは、アメリカで広げるために名前を変えたんですよ。元々、神田昌典さんが尊敬するポール・シーリーさんという方が「これはフューチャーマッピングだ」と言ったことで、名前が変わったんです。だから、基本的なコンセプトは全脳思考と変わりません。

魁太郎: なるほど、それで納得しました。じゃあ、僕が全脳思考を理解していれば、フューチャーマッピングも同じように使えるということですね。

山崎泰央: そうです。ファシリテーターとしても、同じスキルが求められます。だから、基本的には全脳思考を理解していれば問題ありませんよ。

魁太郎: でも、ファシリテーターとしてやるには訓練が必要ですよね?以前、岡山県の朝日塾小学校の教師・佐久間賢志 先生が僕の対談YouTubeでフューチャーマッピングを参加者8人に対してファシリテートしてくれたことがあって、全員がバラバラなことを言っていたのに、最終的には一つのストーリーにまとめたんですよ。あれは見事でした。

山崎泰央: そうですね。佐久間先生はかなりの経験を積んでいますから、自然とそういうことができるんです。でも、実は訓練を受ければ、誰でもできるようになります。最初はプレッシャーに感じるかもしれませんが、やっていくうちに楽しめるようになりますよ。

魁太郎: 本当に楽しめるものなんですか?正直、あれを自分でやると思うとかなり難しそうに思えました。

山崎泰央: 大丈夫です(笑)。意外となんとかなるんです。参加者も楽しんでくれるし、ファシリテーター自身も楽しめるようになりますよ。

魁太郎: なるほど、少し安心しました。ところで、僕は広告代理店で働いていたので様々なイベントの企画をよくやっていたんですが、全脳思考のアプローチを使うときに、特に役立つと感じる部分は、いわゆる「ヒーローズジャーニー」のようなストーリー構造を持っていることです。イベントの成功には必ずクライマックスがあり、その前には必ず挫折や困難が訪れる。この全脳思考の流れが、まさにそれを表しているんですよね。

物語論比較神話学において、ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅[2])、または単一神話(モノミス、神話の原形、原質神話[2])は世界中の多くの民話や神話に共通する、主人公が日常から何らかの非日常に遷移し最大の試練を乗り越え宝を持って[3]再び日常へ帰還する通過儀礼の構造である[4]

英雄神話でその生涯が一定の要素が一定の順番に並んでいることが多いことから構造に気づいたのは、ドイツのオットー・ランクと英国のロード・ラグランがよく知られ[5]、物語では一定数の要素が時系列にそって展開していくことがしばしば見られるという「構造」が広く知られるようになったのは、アメリカのジョーゼフ・キャンベルカール・グスタフ・ユング分析心理学の立場を援用しながら人間の魂(プシケ)の運動を定式化した[6]千の顔をもつ英雄(1949)によるところが大きい[7]。キャンベルは宗教を比較し英雄神話の筋書きの違いは構成要素の独自性によるもので基本的構造に違いはない「モノミス(神話の原形)」とし[7]、英雄神話とは人類が普遍的に希求する「魂の成長」を物語るものだから必然的にワンパターンなのだと説明する[8]
英雄は日常生活から危険を冒してまでも、人為の遠くおよばぬ超自然的な領域に赴く。その赴いた領域で超人的な力に遭遇し、決定的な勝利を収める。英雄はかれにしたがう者に恩恵を授ける力をえて、この不思議な冒険から帰還する[9]
キャンベルの英雄冒険神話(monomyth)研究などはプロフェッショナルな民俗学者(アカデミックなフォークロア)とは名乗れないものだと言われている[10]。キャンベルの「英雄の旅」はむしろ映画のシナリオ作りの理論として応用可能性・普遍性が評価されている[2]

wikipediaより抜粋

山崎泰央: そうです。全脳思考の考え方は、必ず成功に至るプロセスを描くことができるようになっています。どんなに挫折があっても、最終的には成功するストーリーを描けるので、どんな状況でも前向きに取り組むことができるんです。

魁太郎: そうなんですよね。人生や仕事も直線的に進むことはまずなくて、必ず波がある。だから、その波を前提にしておくことで、どんなに困難な状況でも冷静に対応できるというわけですね。

山崎泰央: そうです。実際には、直線的に成功することなんてほとんどないですから。だからこそ、波があることを理解し、乗り越える準備をしておくことが大切なんです。全脳思考やフューチャーマッピングは、その波をうまく乗り越えて成功に至る方法を教えてくれます。

魁太郎: その通りですね。僕もこれまで対談してきた多くの成功者たちの話を聞いてきましたが、誰一人として、ずっと順調に進んできた人はいませんでした。

山崎泰央: そうですね。みんな波を経験して、その波の中で学び、成長してきたんです。


不動産会社トップ営業マンからホームレスへアンラーニングした西野龍三さん。


魁太郎
: 最近の対談で、元プロボクサーの西野龍三さんと4年ぶりに話をしたんですけど、彼の人生は相当、波乱万丈でしたよ。彼は大手不動産会社で営業をしていました。その会社で営業トップの成績を収めていたんです。でも、今はホームレスなんです。

山崎泰央: えっ、本当に?それは驚きですね。

魁太郎: そうなんです。彼は自らホームレスを選んだと言ってました。「いろんな体験をするためにホームレスになってみたい」と。でも、僕から見ると、それはやはり極端な選択ですよね。

山崎泰央: 確かに極端ですね。でも、彼なりの「アンラーニング」を実践しているのかもしれません。過去の成功体験に囚われず、全く新しい体験を選んだわけですから。

魁太郎: そうなんですよ。彼は自分の選択に誇りを持っているようですし、ボクシングの指導も続けていると言ってました。実際、ホームレスという選択を通じて、新たな学びを得ているのかもしれません。

山崎泰央: そうかもしれませんね。アンラーニングは、過去の成功や失敗を一旦脇に置いて、新しい視点で物事に取り組むことです。彼の場合、それが極端な形で現れているのかもしれませんが、それも一つのアプローチですね。

魁太郎: でも、僕だったら正直、快適な家で過ごしたいですよ(笑)。ホームレスという選択肢はあまりにも過激すぎますから(^_^;)

山崎泰央: それも当然の感覚ですよね。でも、彼にとっては、その極端な選択が新しい自分を見つけるためのプロセスだったのでしょう。

魁太郎: なるほど、確かに彼は「自分の戦いはまだ終わっていない」と言っていました。ある意味、彼も自分自身の中でアンラーニングを実践しているのかもしれませんね。

山崎泰央: そうですね。自分の価値観や生活の中で、過去の枠組みを外して新たな体験に挑戦するというのは、アンラーニングの核心です。


SNSで他人の成功ばかりを見ていると、自分と比較してしまい落ち込みやすくなる。

魁太郎: 最近「やりたいことをやる時代だ」ってよく言われてますよね。特にスピリチュアルや自己啓発の世界で「風の時代だから自由に生きよう」と。でも、正直なところ、僕はちょっと疑問に感じる部分もあるんです。全員が好き勝手やったら、社会が成り立たないんじゃないかと。

山崎泰央: そうですね、その点は非常に大事なポイントです。確かに「やりたいことをやる」と言っても、全てがうまくいくわけではありませんし、社会全体がそれで回るかというと難しいところがあります。スピリチュアルや自己啓発の考え方には賛成する部分もありますが、バランスが必要だと思います。

魁太郎: そうですよね。会社での役割があって、それを全うすることに満足している人もいます。みんながフリーランスになって、好き勝手に生きるのが正解だとは思えない部分がありますよね。

山崎泰央: そうなんです。確かに、組織に属していることが心地よく、その中で自分の価値を見出している人も多いです。それはそれで重要な役割ですし、そういう生き方を否定する必要は全くありません。むしろ、自分の生き方に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

魁太郎: そうですね。でも、SNSやFacebookを見ると、やっぱり「やりたいことをやれ!」というメッセージが多くて、そういうのを見てると「自分もやらなきゃいけないのかな」ってプレッシャーを感じることもありますよね。

山崎泰央: そうですね、SNSはうまくいっていることだけが投稿されがちなので、それを見て自分と比較してしまい、自己否定に陥る人もいます。それが一つの問題点ですね。

魁太郎: 実際、僕もSNSでは結構オープンに色々と書いているんですが、他の人からは「うまくいっているな」と思われることも多いみたいで。でも実際には結構大変なことも多いんです(笑)。

山崎泰央: そうですね。特にSNSは見せたい部分だけを見せられるので、外から見ると常に成功しているように見えることが多いです。でも、実際には誰にでも苦労や失敗があるのは当然です。

魁太郎: 確かに、SNSに影響されすぎると危険ですよね。例えば、SNSを見ているだけで自分がどんどんネガティブになってしまうこともあると聞きます。

山崎泰央: そうですね、SNSは中毒性がありますし、自分の見たいものだけを見ることができるので、視野が狭くなりがちです。それに、誰もが成功しているように見えると、自分は何をやってもダメなんじゃないかという気持ちに陥りやすい。それが一つのリスクですね。

魁太郎: それは感じますね。最近はFacebookやTwitterも炎上しやすくなっていますが、Twitterなんて特に匿名性が高いからか、批判の声が大きくなりがちです。

山崎泰央: そうですね、Twitterは匿名で意見を言えるため、炎上しやすい傾向があります。実名で行われるFacebookよりも、その傾向は強いですね。でも、SNSをうまく使うためには、あまり深く入り込まず、適度な距離を保つことが大事です。

魁太郎: まさにその通りですね。僕も以前はTwitterで活発にやり取りしていましたが、今はほとんどやっていません。時間を奪われることが多くて、自分の生活がSNSに引きずられてしまう感覚があったので。

山崎泰央: そうですね、SNSは時間を奪う仕組みになっていますから、自分の時間を守るためには、距離を置いて使うのがベストです。特にクリエイティブな仕事をしている人は、自分の時間を確保することが非常に重要です。


商業出版よりも先にKindleを出版することはやめておいた方がいい理由。

魁太郎: ところで、山崎先生は最近、出版プロデューサーとしても活動を始めたと伺いましたが、そのお仕事はどういう感じですか?

山崎泰央: そうなんです。今は自分の書籍の執筆だけでなく、他の方の出版をサポートする仕事もしています。商業出版やキンドル出版など、いろんな形で書籍を出す方々を支援しています。

魁太郎: なるほど。出版プロデューサーとしての仕事は、どんな点が一番大変ですか?

山崎泰央: やはり、自分と向き合うという点が大変ですね。特に商業出版になると、編集者が第三者の目で厳しく見てくれるので、自分の弱点や欠点も浮き彫りになります。それを乗り越えて、本当に多くの人に読んでもらえる内容に仕上げるのが難しいところです。

魁太郎: 自分自身との戦いですね。でも、やりがいがありそうです。

山崎泰央: そうですね。その過程で自分が成長できるというのも、大きなやりがいの一つです。

魁太郎: 先程お話しされていた「他人が読むことを意識した文章を書くのが難しい」という話、すごく共感しました。特に、最近はAIツールも発達していて、文章を書くハードル自体は下がっている気がしますが、やっぱり他人の視点を意識するって難しいですよね。

山崎泰央: そうですね。AIが手助けしてくれる部分はありますが、最終的に重要なのは、やっぱり「他人がどう読むか」を意識することです。文章を書く際、特に注意すべきポイントが3つあります。

魁太郎: 3つですか。どんなポイントでしょう?

山崎泰央: まず1つ目は、自分の文章を他人が読むことを意識していないということです。自分だけが分かればいい、という文章は他人に伝わりません。読者にとっての読みやすさや、分かりやすさを常に意識する必要があります。

魁太郎: 確かに、自分の頭の中だけで完結している文章って、他人にとっては理解しにくいですよね。

山崎泰央: そうなんです。そして2つ目は、口語と文語の違いを理解していないことです。話し言葉と書き言葉は全く違いますから、書き言葉に適した表現をしないと、読み手にとっては読みにくくなります。

魁太郎: それは気をつけないといけないですね。普段、話し言葉で書いてしまうことが多いかもしれません。

山崎泰央: 3つ目は、「てにをは」の使い方です。これも文章を流暢に読ませるためには非常に大事です。「てにをは」が適切に使われていないと、文章が途切れ途切れに感じられ、読者はスムーズに読み進められません。

魁太郎: そういう基本的なところが大事なんですね。実際に、自分の文章を他人に見てもらうことも大切ですよね?

山崎泰央: そうです。自分の文章を客観的に読むのは非常に難しいので、他人に見てもらってアドバイスをもらうのは必須です。特に、プロの編集者や校正者に見てもらうと、自分では気づかない問題点が浮き彫りになります。

魁太郎: Kindle出版など、最近は自己出版が簡単にできる時代ですが、やはりプロの目を通さないと、自己満足の範疇に収まってしまいがちですね。

山崎泰央: その通りです。Kindleで何冊も出していると言っても、それがプロとして通用するかどうかはまた別の話です。文章がきちんと整っていないと、商業出版にはつながらないことが多いです。

魁太郎: Kindle出版をしている人が、商業出版にチャレンジしようと思っても、その経歴が逆にマイナスになることもあるんですか?

山崎泰央: そうですね。Kindleで出している本が質の低いものだと、出版業界での評価は低くなりがちです。ですから、Kindle出版をしているなら、むしろ偽名で出す方が得策かもしれません。

魁太郎: なるほど、それは知らなかったです。出版プロデューサーの視点から見ると、商業出版に向けての準備って、どう進めればいいんでしょうか?

山崎泰央: まず、明確な「欲望」を持つことが重要です。例えば、出版社は著者に対して300万円の投資をして出版することになるわけですが、そのお金をどう回収するか、どれだけ売れる見込みがあるかをしっかり考えないといけません。

魁太郎: 300万円ですか、それは出版社としても大きな投資ですね。それに対して、どれぐらいの売上があれば成功と言えるのでしょう?

山崎泰央: 一般的に、3000冊売れれば損益分岐点に達します。これがなかなか難しい。特に、今の時代は本が売れにくいですから、著者自身が積極的に売る努力をしなければなりません。

魁太郎: 3000冊ですか。それを売り切るのは確かにハードルが高いですね。SNSのフォロワー数が大事になってくるんでしょうか?

山崎泰央: そうですね。フォロワーが1万人以上いると、ある程度の見込みが立ちますが、それ以下だと出版社側も躊躇するかもしれません。ですから、フォロワーを増やす努力も重要です。

魁太郎: そうか、まだフォロワー数が少ないと、商業出版は少し先の話になるかもしれませんね。ちなみに、僕はYouTubeチャンネル「対談YouTube」について何かアドバイスをいただけませんでしょうか?

山崎泰央: 対談の内容をまとめて書籍化するのはどうでしょう?それと、対談のスキルを教えるスクールを開くなど、他の形で収益を生む仕組みを作るのも一つの方法です。

魁太郎: なるほど、対談を活用して、より広がりを持たせるということですね。それにしても、やはり出版には相当な計画性が必要なんですね。

山崎泰央: そうです。計画を立て、目的を明確にすることが不可欠です。どんな読者に向けて、どんな内容を書きたいのか、そのターゲットを絞り込むことが成功への第一歩です。


アンラーニング思考で混沌とした激動の時代をサバイブしよう!

魁太郎: 先生、僕と友達になっていただけたのは、Facebook上でのやり取りがきっかけですよね。プロフィールもちゃんと見てくれたんですか?

山崎泰央: そうですね。友達申請が来ると、まずはその人の友達リストを見て、知り合いがいるかどうかを確認します。それに、石井政伸さんが友達だったので、安心して申請を受けました。

魁太郎: ああ、なるほど!でも、僕のプロフィールには「宇宙大学卒業」って書いてるんですけど、それは笑ってスルーしてくれたんですね(笑)。

山崎泰央: もちろんです(笑)。そういうジョークだって分かりますから。むしろ、ユーモアがあっていいじゃないですか。

魁太郎: 実は、そういうことに文句を言う人もいて、「Facebookは正確に書かないとダメだ」って怒られたことがあるんですよ。

山崎泰央: そんな人は気にしなくていいですよ。プロフィールなんて、自己紹介なんだから、ある程度遊び心があってもいいと思います。

魁太郎: そうですよね。結局、分かってくれる人と友達になれればそれでいいわけですし。

山崎泰央: そうそう。合わない人を無理に繋いでおく必要はないですからね。

魁太郎: ところで、僕の名前「魁 太郎(さきがけ たろう)」って、完全に偽名なんですけど、それはすぐに分かりましたよね?

山崎泰央: ええ、もちろん(笑)。「魁」という名前から、秋田の「魁」を連想しましたよ。たしか、日本初の地方紙ですよね。

魁太郎: そうなんですよ!実は僕、秋田の「魁新聞」に絡めたブログを書いていた時期があって、それで「魁太郎」という名前にしたんです。

山崎泰央: へえ、そうなんですね!

魁太郎: ところで、今日「アンラーニング思考」の話をあまりしていないですけど(笑)。先生、最後に何かアピールありますか?

山崎泰央: そうですね、アンラーニング思考について簡単に言うと、この本は「自分の過去の思考や方法を手放して新しい視点を取り入れる」というものです。ですが、全てが新しいわけではなく、これまでの学びをどう活かすかが大事です。だから、枯れた技術も積極的に活用することが、アンラーニングの本質なんです。

魁太郎: なるほど、つまり、既存のものをどう組み合わせて使うかがポイントなんですね。それって、セミナーや勉強にも共通する考え方ですよね。

山崎泰央: そうです。何でも新しいことに飛びつかなくても、既存の知識や技術を自分に合った形で使えるようになることが大事です。実際に多くの人が成功している手法を応用すれば、オリジナルでなくても十分効果的です。

魁太郎: 先生のおっしゃる通りですね。僕もいろんなセミナーや書籍から学んできましたが、結局は自分に合ったものを使いこなすことが大事だと感じています。

山崎泰央: その通りです。そして、それを自分のやり方にどう結びつけるかが鍵です。全ての学びが必ず役に立つというわけではありませんが、組み合わせ次第で大きな成果を生むことができます。

魁太郎: まさにアンラーニングですね!今までのものを手放すだけじゃなくて、どう再利用するかが肝心ということですね。

山崎泰央: そうです。何か新しいものがなければ変わらない、という発想ではなく、今あるものをどう使うかを工夫することが大切です。

魁太郎: 今日も多くのことを学ばせていただきました。アンラーニング思考、これからも実践していきたいと思います。

山崎泰央: ありがとうございます。皆さんも、アンラーニングの思考法を活かして、より自由で柔軟な生き方を目指してみてください。

魁太郎: それでは皆さん、今回の対談を楽しんでいただけましたでしょうか?アンラーニング思考、ぜひ手に取ってみてください!山崎先生、今日は本当にありがとうございました!

山崎泰央: こちらこそ、ありがとうございました。



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