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洋服が私に与えてくれるもの

女性を“サイズ”というストレスから解放し、独自に開発した5つのシルエットから、最高のあなたを引き出すお洋服店SAKI・UEHARA

SAKI・UEHARAとしてリスタートしてから1年が経ちました。

世の中がこのような事態になることは、全く想像していなかった一年前。

同時に一年前の今日も、自分が想像していなかった今日という日にいました。

毎年想うのは、一年先の未来を想像できて、予定通りだったことなど一度もないということ。

人と人との距離が必要とされ、会うということも、以前に比べてとても特別で貴重になった今。

世の中では、リモートでの試みが盛んになりました。多くの業種で、オンライン○○といった新たな活動が始まる中、正直なところ、私には少し違和感があって、時代の波に乗れないかもしれない。。。と焦ることもありました。

そんな中で、焦る気持ちに一呼吸して、思い出す自分の原点。

今日はその原点の一部を少し書いてみようと思います。

私は、洋裁師の母と、広告代理店に務める父の間に生まれました。

幼い頃から、母のミシンの音で育った私。

洋服が家の中には沢山あって、特に、おしゃれ好きな母や叔母の存在は、私にとって、初めて見る大人の女性で刺激的な存在でした。色気というか、目には見えない女っぽさがあって、心惹かれ、夢中になって母たちの私物を触っては怒られていたことを思い出します。

何度怒られても、身につけた瞬間の魔法にかかったような快感やときめきを忘れることができず、気持ちを抑えることはできませんでした。

常にファッション雑誌が家には沢山置いてあって、眺めてみると、スタイル抜群の女性たちが並び、流行を伝える情報の数々。

心は惹かれたけれど、そんなにスタイルのいいわけではない私としては、モデルさんは着れても私には着れないな。とか、こんなおしゃれできたらいいけど、私がやったらただの変な人になってしまうな。と一人考えていました。

そんな時、参考にしたのは、目の前にいる母や叔母でした。

彼女たちは、雑誌のモデルさんほど恵まれた体型ではないけれど、自分という人を、最大に美しく見せるために、独自に洋服を選び、おしゃれを楽しんでいました。その姿が、私にはキラキラして見えました。

そして気づきました。

結局のところは、女性は誰だって、自分自身をより一層美しく見せるためにおしゃれはしたいのではないか、と。

そんな時出会ったのが、オードリーヘプバーン。

『ティファニーで朝食を』の彼女でした。

ティファニーで朝食を

オープニングシーンが始まった途端に、一瞬で虜になりました。

(それがきっかけで、私の人生のテーマソングはいつでもムーンリバー)

とびきり魅力的な彼女の存在。

きっと、私が彼女を魅力的だと感じたのは、

彼女が独自に作り出す自分の体型を生かした洋服選びやおしゃれの仕方だと思います。

洋服や身につけるものを使って、自分を美しく見せることができると気づいた時、未来が明るくなったことを覚えています。

後から知りましたが、彼女自身も沢山のコンプレックスを抱えていたそうです。

確かに、コンプレックスは誰にでもあるけれど、

そこではなく、今の自分を最高に美しく見せることに目を向けた時、

体型は変えられなくても、自分という個性は変えられなくても、自分自信が輝く方法は沢山ある。

自分をどう見せたら美しくなるのかを知って、

自分に似合う洋服選びをすれば、

一段と美しくなることはできる。

私の大好きな本の一節にこんな言葉がありました。

『人と違ってこそ、特別な女性になれる。

特別な女性になりたければ、自分の個性を磨くこと』


以来、私は、鏡とお友達。

どこかに出かけるとなれば、一人ファッションショーの始まりです。

母の私物を頂戴し、アイテムが足りないときは、母に作ってもらうようになりました。

家には母が製作しているデザイナーの洋服や、各ブランドのサンプル服が沢山あって、それを見ながら、こんなものが欲しい!とリクエストする度に、母は私に洋服を作ってくれました。

入学式や卒業式は、私にとって一大イベントで、その日のために自分でデザインした服を母に製作してもらっていたものです。

私の太い足にはひざ下丈よりも長いスカートがいい。

首が長く、肩幅が広いから、鎖骨を出した横長のネックラインの方がいい。

お尻の大きさを見立たせないために、ふんわりしたスカートにはタックを入れたい。

特別な女性になりたい。そう思われる自分になりたい。

それを叶えてくれていたのは、母が作ってくれた洋服でした。

なりたい自分になれる服。

コンプレックスばっかりと思っていた体型を、特別に美しく見せる服。

洋服はいつでも私の味方でした。

いつでも自分より少し先にいて、背伸びをして届いたような感覚。

それが、私と洋服の始まりでした。

当時、母が私にしてくれていたこと。

それが今や、私のお仕事になり、早くも6年が経ちました。

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この写真は、初めての仕事で、私がある方にデザインし、母が縫ったワンピース。思い出に残る処女作です。

自分の魅力を知って、装うことで、自信を持って前に進んで欲しい。

それが、今、SAKI・UEHARAに来てくださるお客様への願いです。

いつでも、洋服はあなたの味方。

これからも、服を着る全ての女性のために、お洋服をフィッティングしていきたいと思っています。

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あなたの魅力を見つけるには、

『一対一で会う』というコミュニケーション以上に、最良な方法はないと、私は思っています。

どんなに会話ができても、どんなに顔が見れても、

実際に同じ空間を共有することでしか見えない発見や対話があります。

それを一番、大切にしていたいと思うのです。

今という時代に、逆らうわけではないけれど、『会う』ということが、貴重になったからこそ、

『会う』ことでしか成り得ない体験に、磨きをかけていきたいと思っています。

これからも表参道の街角にある小さな小さなお店SAKI・UEHARAの歩みを、もしよろしければ、読み続けていただけますと幸いです。

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