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JATBOOKセミナー:夢の出版翻訳 「デビュー」のその先

先週の日曜日の午後から、JATBOOKセミナーに参加しました。
実務翻訳・出版翻訳を20年近くされている岩木貴子さんのセミナー「夢の出版翻訳 「デビュー」のその先」でした。

スピーカー:岩木貴子(いわき・たかこ)氏
翻訳者、マーケティング翻訳事務所IWAKI代表、通訳翻訳スクール講師。実務翻訳(マーケティング)と書籍翻訳で日英・英日翻訳に従事。主な翻訳書に『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』(海と月社)、『フレディ・マーキュリー~孤独な道化~』(ヤマハ)、『Knowledge Management and Risk Strategies』(World Scientific)、著書に『刺さる英語マーケティング翻訳術』(三修社)などがある。

JATBOOKのHPより引用

岩木さんは遠回りをされたとおっしゃっていましたが、どの経験もとても素晴らしいなぁと思ってお話を聞いていました。

出版翻訳者になるのであれば、王道は「翻訳学校に行くこと」だそうです。実践で技術が身に付き、講師から編集者さんや出版社さんを紹介をしてもらえることもあるそう。現在、岩木さんも翻訳学校の講師をされているそうです。

どのように出版翻訳者になったのか、どのように続けて来れられたのか、出版翻訳者をやめようと思っていたことや、実務翻訳者を始めたきっかけなど、たくさんのお話が聞けました。

最低賃金て何?
・時給のことは考えてはいけない
・単価のことは考えてはいけない
・労働時間のことは考えてはいけない

セミナーのレジュメより

上記の文章が大変さを物語っていて少し笑ってしまいました。作詞家時代を思い出す(笑)出版翻訳家はかなり大変そうで、あまり目指さないほうがいいかもしれないと正直思ってしまいました(苦笑)

しかし、こういったリアルなお話を聞くことで覚悟が決まる場合もあると思いますし、それでもやりたい!と思えるなら素敵ですし、やるべきだと思います。逆にそこまでしてやりたいことではないと気づけたら、別の道を探すきっかけにもなると思いました。

1冊にどれぐらいの作業時間がかかるのか、どれぐらいの報酬が得られるのか、などのお話も教えていただきました。1冊終わったからと言って次にまたすぐ仕事が来るとは限らないそうです。(翻訳のお仕事はどのジャンルでもやはり同じなのですね。)
しかしながら、だからと言って2冊同時はやめておいたほうがいいらしいです。(2冊同時に作業をして燃え尽き症候群になってしまったそうです。)

詐欺的な翻訳講座に対する注意喚起もされていました。
そもそもぼろ儲けできるような業界ではないし、簡単になれるものでもないので、金儲け的な売り方をしていたら怪しいと思った方がいいみたいです!

他にはモチベーションの保ち方や、書籍翻訳をするうえで役に立つサイトや書籍なども教えていただけました。

最後の質問コーナーでは、私が質問をした内容にも答えていただけて嬉しかったです。

質問:興味が持てない本はどう訳すか、感情を入れて訳したほうがいいのか、淡々と訳したほうがいいのか。興味の有無によって読み方は変わるのか。

先生からの答え:
◆筆者の意見に賛同できないときが困る

何らかの差別的な内容であった場合は引き受けないつもりでいる。(今のところそういったお仕事は来たことはないそうです。)賛同できない主張であれば最終的に断る。
◆興味がないと入り込むまでが辛い
しかし、訳すことに夢中になるので動き出したら問題ない。深く考えていくうちに、興味がないというスタンスは保てなくなる。あんまり気にならなくなってくる。フレディ・マーキュリーの本は感情移入しすぎて号泣しながら翻訳していた。結果として訳がよかったかはわからないけど、気持ちは入っていた。訳の良さは訳者が感情しているかどうかは関係ない。もっと冷静。感情移入したほうが原作者に寄り添える部分はある。

質問コーナーより

こんなお話を聞いたら気になって、フレディ・マーキュリーの本を購入してしまいました!

他の方の質問に対する先生の答えで素敵だなと思ったことがあったので、書かせていただきます。

先生の価値観:人生は、幸せになることが生きる目的
生活の手段はなんだっていい。
たとえ出版翻訳者になれなかったからと言って、逃げたとか失敗したと言うことにはならない。出版社を立ち上げて翻訳するということもできる。出版翻訳以外の選択肢を頭のどこかに置いておいてもいいのではないか。

質問コーナーより

翻訳の勉強は一生!!
すぐに身につくものではない!!
とおっしゃっていました。

英語も日本語も、どんな勉強も終わりはないですね!
長い目で見て少しずつ頑張っていこうと思いました♪

Saki

届きました♪読むのが楽しみです!

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