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咲ママ / 傑作集

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咲ママの代表作を集めました。 まずこれを読んで頂きたいと思う作品から、たった一人でも読んで頂けたらうれしいなと思って書いた作品まで、大切にしている咲ママの記事たちです。
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#生き方

問題の先に、美しさを求めたとき

なにかに一生懸命とり組んでいるとき。その必死さの先に、 “美しさ” を求められるようになったとき、その道が拓けるように思う。 ひとつ次元のちがう所に立てて、目標が一段階、下のところにあって、美しい空を飛びながら街を見下ろすように、目標を見上げるのではなく、目標を俯瞰できるように思う。 出典 『魔女の宅急便』(C)1989 角野栄子・二馬力・GN  http://www.cinemacafe.net/article/img/2016/01/22/37261/198292.h

自分とほかの境目

自分とほかの境目がわからなくなることがある。 ゆらゆらと海中を漂うくらげが、自分と海との境目を分かってなさそうだったり、 たんぽぽの綿毛がふわふわと青空を飛ぶとき、綿毛は、自身と風とのあいだに境目を感じていなさそうなように。 * 子どもたちが生まれるまで、子どもを守るために危険な場面に飛び込んでいく親たちの姿を、ニュースなどで目にしても、その気持ちがあまりわからなかった。 子どもたちが大切なのは、とてもわかる、でも…  やっぱり、こわいでしょう、と思っていた。 でも

仕事と家庭のはざまで、育休 1 年がくれたもの

陽だまりのようだった育休 1 年。 この 1 年が、私の人生にあった意味が、ようやくわかったかもしれない。 この 1 年、育休という日々を過ごしてきて、そして、これから仕事復帰というはざまに立って。  心を豊かにするために、生きているのかもしれない という気付きが、ふと、舞い降りた。 * この 1 年、いつもは素通りする心や感情を、丁寧に拾い、言葉にしてきた。 やらなければならない仕事に追われていた日々の、せわしさから、ふっと、切り取られたような、この 1 年は、

書くときに、ふとあらわれる、打ち上げ花火の法則

note を書くとき、空を見上げて、すこし考える。 空は、いろんな感情を素直に引き出してくれる。 空を見ていると、ふと、打ち上げ花火の法則、が思い浮かぶ。 『打ち上げ花火の法則』というのは、わたしが勝手に名付けたものなのだけれど、ひとことで言うと、 『ある事柄を、ひゅ〜っと一度、空に上げて、抽象化・一般化して、ふわ〜っと地上に降りてきて、ほかのものに還元すること』 だ。 これは、まだ私が京大に入学する前、浪人していた頃、勉強をしながら考えたもので、当時、私に最も足りなか

目のきれいな人になりたい ~育休中、ただ娘を眺めるだけの一日を過ごしてみて~

ただ一度だけ、「あなたは本当に目が美しいね」と褒められた事がある。「黒く、奥まで澄んでいる」と。 その言葉は、私には恐れ多すぎる褒め言葉だったけれど、能力とか、容姿とかを褒められいるわけではなく、自分の「生き方」そのものを褒められている気がして、とても嬉しかった。 * 人の目の美しさ、というものに、私がはじめて魅了されたのは、まだそんな褒め言葉をいただく随分前のことだった。 夫がまだ夫となる前、長らく私と夫は遠距離だった。 京都と東京にいて、共に学生だった当時はお金も